第Ⅲ期SSHの取組
【探究】理数科1年生 ユニット型課題研究(生物分野) 「酵母アルコール発酵の比較実験」について報告【SSH】
今年度の「ユニット型研究生物」では、酵母(イースト)のアルコール発酵を題材に、実験→データ整理→考察→アウトプットまでを一気通貫で体験する授業を行いました。
“教科書で知っている反応”を、自分の手で確かめ、数字で語れるようにするのがねらいです。
ねらい
①酵母の発酵(糖→CO₂+エタノール)の仕組みを、現象として理解する
②「比較」「対照」「仮説」「誤差」を意識した実験計画の基礎を身につける
③表・グラフを使って、結果を第三者に伝える力を育てる
実験の概要:シリンジ法でCO₂量を測る
今回の実験では、発酵により発生する気体(CO₂)をシリンジの目盛りで測定し、時間変化として記録しました。
・条件(温度・時間・操作)はクラスで共通
・ただし、試験液(イーストを溶かす液)だけは生徒が自由に選択。
ジュース類、炭酸飲料、乳飲料、糖濃度を変えた溶液など、発想が多彩でした。
“自由に選ぶ”からこそ、仮説が立つ
試験液が自由だと、実験前から自然にこんな会話が出てきます。
「甘いほど発酵が進む?」
「果汁100%と20%って差が出る?」
「炭酸は…最初からCO₂が入ってない?」
「乳飲料は酵母に影響ある?」
「糖の“量”だけじゃなく“種類”も大事では?」
この段階で、すでに探究が始まっています。
“なんとなく”を、「比較可能な仮説」に言い換える練習です。
結果:同じ“甘そう”でも、反応は同じではない!
測定してみると、発生量が大きい試験液もあれば、ほとんど変化がないものもあり、結果はさまざま。
また、多くの班で
- 途中から増加が加速する(立ち上がり)
- 増え方が鈍る(停滞・飽和)
といった“グラフの形”が見られ、発酵を「反応の進み方」として捉えるきっかけになりました。
考察のポイント:結果を「糖」だけで片づけない
考察では、単に「糖が多いから」で終わらせず、次の観点について考えてみることがポイント。
・糖の量だけでなく、糖の種類(発酵に使いやすいか)
・添加物や酸性度など、酵母にとっての環境
・炭酸飲料の場合は、もともとの溶存CO₂(混入の可能性)
・測定の誤差(気泡、温度管理、混ぜ方、読み取りなど)と、低減策
「結果→理由」をつなぐには、複数の可能性を出し、どれが妥当かを説明する力が必要です。ここが、まさに研究の入口でした。
個人レポート作成へ:データで語る練習
実験後は、各自が個人レポートを作成しました。
今回のレポートでは特に、データ提示(表・グラフ)と図表の作法を重視し、“レポートの型”に沿って書くことを意識してもらいました。
小さな実験でも、探究の型は身につきます。今回のユニット型研究では、身近な材料を使いながらも①仮説を立てる、②条件をそろえて比較する、③数値で示す、④考察する、⑤次の実験を提案する…という、研究の基本プロセスを体験できました。
“やって終わり”ではなく、結果を「伝わる形」に整えるところまでが学びです。
最後に、残るユニット型研究もいよいよ「地学」が最後となりました。
今回の生物で経験した 仮説の立て方、条件のそろえ方、データの見せ方(表・グラフ)、考察の組み立て方 といったポイントやコツを、ぜひ次のレポート作成にも生かしてほしいと思います。学びの積み重ねが伝わるレポートにつながるはずです。次のユニットでも、皆さんの工夫と挑戦を期待しています。
【探究】リアース校内発表会
10月20日(月),12月1日(月)に熊谷市都市計画課の方々とユーカリヤ社の方々をお招きし、リアース探究(3D都市モデルを活用した熊谷市の都市計画に係る探究活動)の発表会を行いました。
準備期間の短い中でしたが、どの班も独自の視点で熊谷市の都市開発について探究し、3D都市モデルを活用した将来構想を発表しました。駐車場を立体駐車場に変えることで空いた土地を活用する方法や、子育て支援の施設を建てるために必要な予算とその支援金の集め方を計算している班もあり、それぞれが設定したテーマに沿って深く探究することができていました。また、今回の発表会で選出された2班が、2月に行われる立正大学での発表会に臨むことになりました。
熊谷市都市計画課の方々からは発表のフィードバックもいただきました。今後の探究活動に活かしていきます。
準備風景↓
【SSH】科学実験体験イベント『楽しもうサイエンス!』を開催しました
11月22日の土曜日に、本校の体験型イベント「楽しもうサイエンス」を開催しました!
当日はたくさんの小学生・中学生とその保護者の方にご来場いただき、会場はとてもにぎやかで、笑顔の多い一日になりました。来てくださった皆さま、本当にありがとうございました!
また、感染症が流行している時期でもありましたが、手指消毒や体調確認など、感染対策にもご協力いただき、無事に実施することができました。ご理解・ご協力、ありがとうございました。
今年度は申込者数が昨年度よりも多く、想定以上に早い段階で定員に達してしまいました。参加をご検討いただいていたにもかかわらず、お申し込みいただけなかった皆さまには申し訳ありませんでした。
来年もさらにパワーアップして開催できるよう、生徒と一緒に準備していきます。
今年度も、生徒たちがブースの準備から当日の運営までを担当しました。
「どうしたらわかりやすく伝わるかな?」「ここは実際にやってもらった方が楽しいかも!」と、直前まで試行錯誤しながら本番を迎えました。実験や観察に目をキラキラさせる来場者の様子に、生徒たちも自然と声が弾んでいたのが印象的でした。
↓↓↓当日の様子↓↓↓
<書道>
<家庭>
<数学>
<情報>
<物理>
<化学>
<生物>
<地学>
【授業】よみうり進学メディア埼玉版11月号への記事掲載について
よみうり進学メディア埼玉版11月号に、
本校理数科2年生の「SS物理Ⅰ」の授業の記事が掲載されました。
本授業は、本校理数科2年生の担任でもある澁谷教諭が担当していて、
グループワークで生徒同士で教え合ったり、理解を深めるために実験を取り入れたりする様子が紹介されています。
本校理数科では、学習内容の本質的な理解を追求し、
今後、社会でこれまで以上に必要とされる優秀な理系人材を育成するため、
様々な実践的・体験的な学習活動に取り組んでいます。
11/22(土)には小・中学生向け科学体験教室「楽しもうサイエンス」を本校で実施いたします。
本校理数科1、2年生の生徒が科学の楽しさを御来場の皆様にお伝えしますので、
多くの方にお越しいただけることをお待ちしています。
【SSH】第76回 埼玉県科学教育振興展覧会〈中央展〉/第69回 日本学生科学賞〈埼玉地区〉表彰式 参列報告
第76回 埼玉県科学教育振興展覧会〈中央展〉/第69回 日本学生科学賞〈埼玉地区〉表彰式 参列報告
10月29日に開催された「第76回埼玉県科学教育振興展覧会〈中央展〉・第69回日本学生科学賞〈埼玉地区〉表彰式」に参列しました。
会場では、県内各校の受賞者が一堂に会し、日頃の探究の積み重ねが称えられました。
<本校から埼玉県科学教育振興展覧会に出展した9テーマ>
1 シャボン膜の干渉による膜の厚さの測定
2 一様金属板の振動数とクラドニ図形
3 安定電圧下での持続発電を可能とする微生物燃料電池の開発
4 サポニンを用いた天然の洗剤の機能性について
5 雑草から生分解性プラスチックの作成
6 炭素粒子(竹炭)付着の有無によるクモ糸の力学特性(応力・ひずみ)の比較
7 逃げ水の再現と発生要因
8 ブロッケン現象の再現と発生の要因について
9 赤城山の再現とハザードマップの作成
このうち1・2・3・7・8番が中央展へ出展されました。
このうち2テーマが優秀賞をいただき、表彰式にて賞状を授与されました。
今年度は18の研究テーマの中から9テーマを出展しました。4月にテーマを決め、夏を経て9月中旬までに得たデータを整理するまで、計画的に実験を重ね、その結果を科学的にまとめ上げる作業は決して容易ではありません。出展までたどり着いた9テーマの頑張りにまず拍手を送りたいと思います。
その中から5テーマが中央展に選ばれ、選出された30本中5本が熊谷西高校の研究という結果になりました。理数科生徒の努力が、確かな形で評価されたと言えます。
さらにその中の2テーマは優秀賞をいただき、高校生の課題研究としても完成度の高い内容であると評価されました。
運営・審査に携わった皆さま、日頃から生徒の探究活動を支えてくださる保護者・地域の皆さまに、心より感謝申し上げます。
また次に向けて追加実験を重ねて、研究の深度をさらに高めていってほしいと思います。
理数科全体としても、熱心に取り組む仲間の姿勢に学びながら、各自が課題研究への温度を上げ、自分の中での達成感とより良い成果につなげていって欲しいです。
【SSH】第2回課題研究発表会を実施しました!【理数科・自然科学部】
10月20日月曜日の5~7時間目に、第2回課題研究発表会を実施しました。
今回の発表会は、中間報告会。
6月に行われた第1回からの進捗について理数科2年生を中心に発表を行いました。
理数科2年生発表テーマ一覧
<数学>
複数の基数で回文になる数へのリクレル操作
<情報>
文字認識を利用した手書き文字のデジタル化
路面状況や勾配を加味した交通シミュレーション
<物理>
一様な金属板の振動数とクラドニ図形
シャボン膜の干渉による厚さの測定
リコーダーの秘密に迫る
ライズボールの解析
<化学>
安定電圧下での持続発電を可能とする微生物燃料電池の開発
化学染料にかわる草木染めをつくる
サポニンを用いた天然の洗剤の機能性について
酸化チタン光触媒による退色現象の再現
雑草から生分解性プラスチックを作る
<地学>
逃げ水の再現と発生要因
ブロッケン現象の再現と発生の要因について
赤城山の再現とハザードマップの作成
<生物>
炭素粒子(竹炭)付着の有無によるクモ糸の力学特性(応力・ひずみ)の比較
アルテミアを指標としたイブプロフェン製剤の短期影響比較
カレーとスパイス・ハーブの育成
1年生はユニット型研究の物理(英語ver.)と化学について、代表者発表がありました。
先輩たちを前に緊張もあったと思いますが、内容を簡潔に、堂々と伝えられていました。
今回の発表会からは理数科1年生が運営側に回り、受付・誘導・タイムキープ・機材補助などを担当。舞台裏を支える経験は、来年の自分たちの発表にも必ず生きてくるはずです。
理数科2年生の課題研究では、6月の段階であいまいだった研究目的や前提知識が、この間のブラッシュアップによって明確になり、自信をもって発表する班が多く見られました。
夏休みの取り組み、科学展のレポート作成、自然科学交流会でのポスターセッションを経て、各テーマが着実に固まりつつあり、日々の努力が確かな形で表れています。
一方で、サンプルサイズの不足や測定基準の不明確さは、早急に改めたいですね。
今回までの結果から生まれた反省点や新しい疑問には、追加実験で応えることが必要です。
実験のアイディアがうまく出てこない場合は、参考文献を探して読み込んでみて、手を動かす前の知識・背景の不足をまず補うことを意識してほしいと思います。
<総括>
今回の発表会で感じた課題は、「質問する力」です。
全体の前で手を挙げるのは、たしかに少し気恥ずかしいかもしれません。でも、良い質問は“発表者のため”だけではなく、その場にいる全員の理解を押し上げます。興味を持ったら、わからないところは素直に尋ねてください。「なぜその条件なのか」「他の条件ではどうなるのか」等、簡単な一言が、次の測定計画や図の改善へとつながります。質問する勇気は、研究の質を一段引き上げる力です。
発表する側も、問いを歓迎し、簡潔に「結論→根拠→次の対応」の順で応答しましょう。「検討します」で終わらせず、「反復数を増やして再測定する」「対照条件を追加する」など、具体策を添えて前進の道筋を示すことが、研究を確実に強くします。
今日の中間発表会は通過点です。小さな「なぜ?」を飲み込まずに声に出す。その積み重ねが、班の議論を動かし、データの信頼性を高め、次の外部発表での説得力につながっていきます。
次回は、もっと多くの手が挙がる熱い質疑で、発表会そのものをみんなで育てていきましょう。
発表者・司会・運営スタッフ・助言の先生方・参加した生徒の皆さん、ありがとうございました。
【SSH】自然科学交流会でポスター発表を行いました【理数科2年生・自然科学部】
自然科学交流会にてポスター発表を行いました!
10月4日(土)に熊谷高校で開催された自然科学交流会に、本校の理数科2年生と自然科学部の生徒が参加しました。
例年は熊谷西高校で実施していましたが、今年度は会場が変わり、熊谷高校での実施でした。
動物・植物・化学・物理・地学・一般の6系統にわたって30を超えるテーマが並び、会場は活気にあふれていました。
本校からは19テーマのポスターを出展し、生徒たちは自分たちで作り上げた研究の背景・方法・結果・考察を来場者にわかりやすく説明していました。
質疑応答では、他校の生徒や教員から鋭い質問や温かい助言をもらい、発表者がその場で図やデータを指し示しながら「なぜその条件設定なのか」「次はどこを検証するのか」を言語化する姿が印象的でした。
説明を重ねるごとに伝え方の精度が上がっていくのも、まさに交流会ならではの学びです。
研究そのものだけでなく、課題研究の成果と発表を通じたキャリア形成という観点でも、他者との対話が自己成長につながる貴重な機会になりました。
交流会でいただいた質問やコメントをふりかえり、各班で改善計画を立てていきます。
これからの発表の機会に向け、今回得た学びを研究デザインとプレゼンテーションに反映していきます。
最後になりましたが、会場を御準備くださった熊谷高校の先生方、審査・助言をくださった皆さま、そして発表や運営に携わってくださった全ての皆さまに心より感謝申し上げます。
今後とも本校の探究活動への御指導御支援をよろしくお願いいたします。
【SSH】現役大学院生によるキャリア講演会
10月17日(金)、本校視聴覚室にて「大学院生によるキャリア講演会」を実施しました。
講師は北海道大学 環境科学院 修士課程2年の新井さん。
海底堆積物に残された古いDNA――sedaDNA を手がかりに、西部北極海の過去の環境変動や生物群集の移り変わりを解析する研究に取り組んでいます。
新井さんは、調査船「みらい」MR-2406C航海に約40日間乗船し、北極海での本格的な調査を経験。厳しい現場でのサンプリングと膨大なデータ解析を通じて、北極の姿を“分子の証拠”から明らかにしようと挑んでいるそうです。
研究以外でも、カレー同好会を立ち上げ、大学祭では3日間で約4,000杯を販売する企画力と実行力も備えた頼もしい方です。
今回は、この回のために北海道からはるばる籠原まで来ていただきました。
大学院生として学会発表の経験も豊富で、構成の分かりやすい語り口により、時間の経過とともに生徒の姿勢もいっそう前のめりに。
高校時代の具体的な勉強法やおすすめ参考書、受験期の失敗談もユーモアを交えて紹介され、教室にはたびたび笑いが起きました。
新井さんが「難しいと感じた授業の教科書」ということで持参した、大学レベルの数学書の中身を見て目を丸くする生徒の姿も。
年の近い先輩のリアルな体験談に触れたことで、「受験勉強のモチベーションが上がった」「大学進学後の自分を具体的に想像できた」といった声が多く聞こえました。
聴講したのは理数科2年生が中心。課題研究・部活・学習に追われ、秋以降は発表会も増える忙しい時期です。
このタイミングで受験を見据えた“現実的な指針”をもらえたことは、明日からの行動を確かに変えてくれそうです。
専門性は高い。けれど伝え方はシンプルでフランク——そのわかりやすさが「自分にもできる」という手応えを生みました。生徒一人ひとりが“次にやること”を持ち帰れたことこそ、大きな収穫です。
改めまして新井さん、ありがとうございました。
【探究の熊西】理数科1年 埼玉工業大学情報研修(自動運転バス試乗)
10/18(土) 9:45~12:10 に埼玉工業大学情報研修(自動運転バス試乗)を実施しました。対象は理数科1年生です。
埼玉工業大学の渡部教授(副学長・自動運転技術開発センター長)の御指導の下、自動運転について理解を深めました。
開会行事 オリエンテーション
渡部教授(副学長・自動運転技術開発センター長)による講義
施設見学
自動運転モニタリング
自動運転バス試乗
発進時は運転手さんが手動で。すぐに自動運転に切り替え。
とても自然で、スムーズな運転でした。
バス外観 センサー類は意外と目立たないです
自動運転の技術的背景、AI やセンサーの役割、交通社会の中での
自動運転の意義について学ぶことができました。
また、実証実験の現場で直面する法規制や地域住民との協力関係
の構築、技術的課題など、御苦労の一端にも触れることができました。
自動運転技術がどのように地域社会や地方交通に役立ち、
将来的な社会インフラの一部となるか考えるきっかけになりました。
【探究】理数科1年生 ユニット型課題研究(化学分野) 「ろ過と蒸留」について報告【SSH】
本校理数科1年生が「SS理数探究基礎」の授業において、ユニット型課題研究(化学分野)「ろ過と蒸留」を行いました。
<日程>
9月8日(月) オリエンテーション・仮説設定
9月13日(土) 実験 ※土曜の公開授業日でした
9月22日(月) 考察・まとめ
9月29日(月) 発表
赤ワインの製法と蒸留の原理を題材に、混合物の分離を実験的に学びました。
赤ワインを「赤色色素・水・エタノール」からなる混合物と位置づけ、活性炭への吸着を用いたろ過で色素を除去し、その後の蒸留で水とエタノールの分離を試みました。
あわせて、エタノールは水と共沸混合物をつくるため、通常の蒸留だけでは100%にはならないことを確認し、分子ふるいや共沸蒸留など実用上の高濃度化手法についても調査しました。
さらに、冷却器に名を残すユストゥス・フォン・リービッヒ(ドイツ)の生涯と業績を調べ、現代化学への貢献を学びました。
初めて扱う装置に最初は緊張していましたが、役割分担が進むにつれて声かけも増え、各工程の確認がテンポよく回り始めました。「もう少し待てば…」と粘り強く観察する班も。
物理に続き、今回は2回目のユニット型研究・発表会でした。
前回よりスライド構成が洗練され、要点の絞り込みも上手になってきた班が増えました。
いっぽうで、図の提示タイミングや話し方(聞き手に届く声・アイコンタクト・話速)にはまだまだ改善の余地があり、次回の成長が楽しみです。
次のユニット型研究は生物分野。観察・実験計画の立て方やデータ可視化にも挑戦し、「伝わる発表」をさらに磨いていきます。