第2期SSHの取組
【探究の熊西】理数科1年生ユニット型課題研究(化学分野)『発光の化学』
10月27日から11月27日にかけて、理数科1年生を対象にユニット型課題研究の化学分野を行いました。
生徒には実験を全力で楽しんでほしい。しかし、大半の生徒は自ら実験を行ったことがありません。そこで生徒が主体的に実験に取り組めるよう、実験の目標に対して仮説を立てること、その仮説を具体的な実験条件に反映する力を身につけることを目的として、化学分野の実験をはじめました。
化学分野では「発光の化学」と題して、様々な発光現象に触れつつ、硫化亜鉛に添加された金属イオンからの発光現象について取り組みました。
①10月27日 講義
炎色反応や化学発光、フォトルミネッセンスについて取り上げ、発光についての基本的な講義を行いました。
②10月31日 基本実験
実際に酸化還元反応を用いて硫化亜鉛を合成し、各班ごとに異なる金属イオンを取り込みました。合成した硫化亜鉛は白色の結晶ですが、紫外線を当てると発光します。取り込んだ金属によって色が変化します。
③11月1~10日 班ごとに実験条件の検討会
発光現象を改善するために、発光の仕組みや反応のどこに問題があるのか仮説を立て、改善するための実験条件を考えます。みんな朝学習や休み時間、放課後を使って、熱心に議論を繰り返していました。
④11月20日 改善実験
各班が自分たちの仮説に基づいて、実験条件を変更しました。生徒は一生懸命実験に向き合っています。
仮説通りにできたかな?
⑤11月27・28日 発表会
仮説を立て、実験条件を変更し、どんな結果になるか想像しながら、改善実験に至る過程を重視して、発表会を行いました。各班4分+質疑4分の発表となります。
発表資料は、グーグルスライドで作りました。互いの意見に耳を傾けながら、考えが少しづつ形となっていきました。発表についても、各班が工夫を凝らし、相手に伝えようとする意思が伝わってきました。
「発光」は非常に難しい分野であり、高校生のレベルを大きく超える内容です。それにもかかわらず、理数科1年生は自主的に学習し、自分で必要と思われる知識を積極的に吸収していました。彼らの成長が感じられる活動となりました。
【探究の熊西】物理基礎 音速の測定実験
2年生の物理基礎では、「音」の学習をしています。
期末考査が近づくよく晴れた日、教室の外に出て音速の測定実験を行いました。
スマートフォンのアプリを用いて、2つのイベント間(実験では、1人の生徒が手拍手をしてから、向かい合った生徒が手拍手をするまで)の時間差を計測し、その結果をもとに音速を測定しました。
空気中の音速は気温によっても変わりますが、およそ340m/s。
向かい合う2人の距離が離れるほど計測が難しくなる実験でしたが、各班上手に工夫しながら測定をしていました。
実験では誤差5%以内の精度で求められた班が多くあり、音の伝わる速さを実感することができました。
【探究の熊西】企業連携:電子顕微鏡観察(日立ハイテク)
今年度も株式会社日立ハイテク様から電子顕微鏡をお借りしました。
地域における科学教育の振興を目的とした理科教育支援活動として、株式会社日立ハイテク様より日立卓上顕微鏡TM4000PlusⅡをお借りしています。大変ありがとうございます。
電子顕微鏡とはどんなものでしょうか?
世の中で最も小さい電子を対象にぶつけて、その形状を見ていきます。そのため、光学顕微鏡よりも小さいもの、ミクロの世界をのぞくことが出来ます。ただし、電子をぶつけるため真空が必要であり、観察する対象は金属など導電性があるほうが有利です。
しかし、日立卓上顕微鏡TM4000PlusⅡは真空度を制御して、導電性のない対象も観察できます。さらに、電子を対象にぶつけてその跳ね返りを見ているので、観察対象の材質の違いを見ることも出来ます。
授業SS化学・自然科学部の中で、生徒と電子顕微鏡観察について話し合ったところ、下記の案が出ました。
①銅粉末と銅樹を比較してみよう。
②半紙の表はサラサラ、裏はザラザラその違いは何?
③冬の必需品、高機能な防寒インナー
④トイレットペーパーとティッシュペーパー
生徒の観察結果を見ていきましょう。
実験1:銅粉末と銅樹を比較
銅粉末は見た目サラサラです。
しかし、拡大してみると小さな薄片の集まりであることがわかりました。
銅樹は植物の枝のように生えています。
拡大してみると、銅の結晶がかくばって成長している様子がわかります。
実験2:半紙の表はサラサラ、裏はザラザラその違いは何?
半紙の表と裏を観察しました。
・半紙の表
・半紙の裏
表面の繊維は最大値が30㎛、最小値が6㎛以上となっています。裏面の繊維は最大値は同じく30㎛ほどですが、最小値が2㎛以下となっています。基本的に繊維の太さは同じですが、裏面は細い繊維が混合しています。これは半紙をすくうときに表面が下になり、重い繊維から重なっていくため、上(裏面)は細い繊維が混合してくると考えられます。
実験3:冬の必需品、高機能な防寒インナー
寒い冬の必需品、高機能な防寒インナーを綿と比較してみました。
・高機能な防寒インナー
・綿の服
綿は繊維が乱れており、ほどけています。これと比較して、高機能インナーは繊維が整っており、きれいに織り込まれています。これにより暖かい空気を逃がさず閉じ込めて保温していると考えられます。また観察からはわからないですが、繊維自体が水を吸着して発熱しているため暖かいのです。
実験4:ティッシュペーパーとトイレットペーパー
水にとけないティッシュペーパーと水にとけるトイレットペーパーの形状に違いはあるのか?
・ティッシュペーパー(180倍と800倍)
・トイレットペーパー(180倍と800倍)
ティッシュペーパーは密度が高く、トイレットペーパーはスカスカでした。
繊維は同じようですが、その密度の違いが水へのなじみやすさの違いにつながるのでしょう。
あと、観察結果からはわかりませんが、接着剤の影響もあるのでしょう。
今回は電子顕微鏡を用いて観察を行いました。肉眼ではよくわからなくても、電子顕微鏡が本来の姿を正確に教えてくます。やはり正確な観察が大切だと改めて気付かせてもらいました。
【探究の熊西】楽しもうサイエンス!!
11/25(土)9:30~12:30に本校で小中学生に向けて科学体験教室「楽しもうサイエンス!」を行いました。小中学生・保護者の方合わせて多数の参加をいただき、ありがとうございました。20ブースを回って楽しんでいただいたようです。
本校生徒にも小中学生に教えることを通して、実験の楽しさ・理数を教える面白さ等に気付いてもらえたらと思っています。
来年度も多くのご参加をお待ちしております。
【探究の熊西】科学の甲子園に出場しました!
11月18日(土)科学の甲子園埼玉県大会が開催されました。科学好きの生徒が集い、科学好きな生徒の裾野を広げることが目的です。23校37チームが出場しました。
本校からは理数科の生徒6名が代表として参加しました。
午前に筆記試験と午後に実技試験を行いました。
残念ながら、筆記試験は撮影禁止です。
午後は実技試験です。A4の紙7枚を使ってペーパータワーを作ります。
80cmを超え、ビー玉9個に耐えるペーパータワーを作りました。すごい!
しかし、何よりうれしかったのは、
理数科のクラスメイトが代表6名のために、みんなでペーパータワーを作ってどんな構造がいいか、一緒に検討してくれたことです!!!
みんなのそういう気持ちが最高にうれしいです。
これからもみんなで乗り越えて、頑張っていこう!!
【探究の熊西】秋の天体観察会
11/13(月)~17(金)の一週間、秋の天体観察会を行いました。前回の春の観察会とは違って、
今回は月のない新月の時期に行いました。日の入りも早く天気も安定し、星を見るにはいい時期です。
<屋上から見る夕焼けのグラウンド> <天体観察に使う望遠鏡とさくらめいとと・浅間山>
木星や土星の見頃の時期でもあります。13日(月)は風が強く透明度はよかったものの、シーングは
あまりよくなく、惑星の細かな模様などまではなかなか見られませんでした。
<薄明中の木星(鏡筒の先)と望遠鏡> <木星を肉眼と望遠鏡で見る>
月曜日は多くの生徒が来て総勢70名くらい観察に来ました。透明度がよかったため熊西のような
市街地では普段あまり見にくい、星雲・星団やアンドロメダ銀河なども観察しました。
<土星の観察中> <アンドロメダ銀河の観察>
人気があったのはやはり土星で、「輪っかが見える!」「写真やイラストみたい!」と大好評でした。
14日(火)の県民の日と天気の悪かった17日(金)を除いた3日間、観察会を行い1日平均30~40名
の生徒の皆さんが来てくれました。月曜日以外は風も弱く惑星を見るにはいい条件でした。
次回はオリオン座をはじめとする冬の星座が見頃となる、1月下旬から2月上旬にかけて実施する予定です。
【探究の熊西】チームアライグマシンポジウム
11月12日㈰、川越女子高校にてチームアライグマ主催のシンポジウムが開かれ、熊西からは6人の生徒が参加しました。チームアライグマに参加する9校のほか、一般参加の高校生や社会人の方も含め60名ほどの参加となり、大変有意義な時間となりました。午前はクビアカツヤカミキリに関する講義、午後は10班に分かれて3テーマについて討論を行いました。
クビアカツヤカミキリについては、残念ながら現在有効な手立てがなく、非常に深刻な問題であることを再認識しました。午後の討論は、生物多様性や外来種に対する考えを改めるよい機会となりました。
チームアライグマでは今後も外来種問題に積極的に取り組んでいきます。
小中学生科学体験教室 楽しもうサイエンス! 開催準備をしました。
11月10日(金)放課後に楽しもうサイエンス!の事前打ち合わせ、予備実験等の準備を行いました。開催当日に小中学生に適切にサポートできるように本校生徒が準備をしています。
顕微鏡で微生物を観察しています。
ビーズでファージストラップ作っています。
マーブリングで素敵なしおりができました。
バードセーバーを作っています。
【探究の熊西】自然科学部 チームアライグマ オンライン研修
11月1日(水)放課後に国立研究開発法人 森林総合研究所 加賀谷 悦子先生の「日本の樹木への脅威 外来カミキリムシ」のオンライン講演会に参加しました。クビアカツヤカミキリ、ツヤハダゴマダラカミキリ、サビイロクワカミキリの三種の外来種について、それぞれの特徴、被害状況と対策、駆除方法などについて学びました。
講演の後に質問タイムがあり、参加した各校から盛んに質問が出されました。回答をいただき理解が深まったとともに、全国に被害が拡大するのも時間の問題であるという緊迫した状況であることを改めて実感しました。
【探究の熊西】1年生中間発表会
11/1(水)3・4時間目の授業で、普通科の中間発表会と理数科のユニット型研究発表会を同時展開で行いました。
ポスターセッションのPCを使う形式で発表で行いました。1年普通科の全体での発表会はこれが初めてで、1年理数科と合同で行うということも今回が初めてでした。全校で取り組んできた一つの成果かと思います。
<発表の前に>
タブレットを紙芝居代わりにしてプレゼンを行い、質疑応答を行って評価をフォームにつけ送信するということ
を10分休憩を途中にはさみながら90分間行いました。
<発表会場の様子 8クラスにブースを分散(1クラス5×2グループ)させて行いました>
<普通科の中間発表の様子>
<理数科ユニット型課題研究「物理」の発表の様子>
<質疑応答の様子>
<評価をつける>
まだ発表に慣れていないせいもあって、なかなか質疑応答が成り立つところまで行けないグループも
多くありました。評価の方は概ね妥当な評価をしており、これからの発表会でプレゼンする能力とともに
適切な質疑応答ができて、対話を通じて理解を深められるようにしてほしいと思いました。
初めての学年全体発表でしたが、全体的にスムーズにできたと思います。
【探究の熊西】第2回SSH課題研究発表会
10月23日(月)5・6・7限 視聴覚室で表記発表会が行われました。
1年生2グループ、2年生17テーマの発表が行われ、3年生をはじめ活発な質疑が行われました。
校長先生から課題研究の意義についてお話がありました。
発表テーマは以下の表のとおりです。
1年生は、1学期に行った物理のユニット型研究を英語にしました。建物の3階から卵を落としてわれないように様々な工夫を凝らしました。クラスで10班の中から選抜された、1つの班が発表しました。
次に、2学期の生物のユニット型研究「コドラート法による学校内の植物の分布」でも最も優秀な1つの班が発表をしました。
<物理「エッグドロップ」英語発表>英語の発表が上手!
<生物「コドラート法」発表>数値で比較できてますね。
続いて、2年生が上記の17テーマの発表を行いました。先日科学展に出品し良い結果を得たものから、この研究発表会に向けて実験・まとめを頑張ったもの、数学・情報・物理・化学・生物・地学と多くの分野で研究中間発表が行われました。
「数学・情報分野」
<数学分野>だんだん法則が明らかになってきました。
<情報分野>条件について質問が飛びます。
「物理分野」じゃんけんロボットはチョキなら勝率100%!!
「化学分野」結晶の形が見えるほど、きれいなんですね。
「生物分野」新種を探せ!!!
「地学分野」だんだん相関関係が見えてきた!!
3年生をはじめ、2年生や先生方からも多くの質疑がありました。
1つの発表に対してほとんど質疑応答があり、研究発表会としてふさわしい雰囲気でした。
最後に教頭先生から定義の大切さについてお言葉をいただきました。
次回は、2月の校内SSH生徒研究発表会です。さらに、埼玉県理科研究発表会、つくばサイエンスエッジなど外部の発表も続きます。今回の中間発表の経験を生かして、さらに自分の工夫を加えて実験を進め、発表会に臨んでもらいたいと思います。
【探究の熊西】理数科1年 埼玉工業大学情報研修 (プログラミング基礎)
10/21(土) 8:45~13:00に埼玉工業大学情報研修(プログラミング基礎)を実施しました。対象は理数科1年生です。
埼玉工業大学の長井先生のご指導の下、様々な講義・実習に取り組みました。
<講義内容と本日の予定>
<講義の様子> <ファイルのダウンロード>
<プログラムを動かしてみる> <プログラムを作り図形を描かせてみる>
<巡回指導する長井先生> <より難しいプログラムを打って確かめる>
<プログラムの打ち込み・少しのミスが命取り> <プログラムの動作を確認する・円のバウンド>
<プログラムで動かすロボット> <プログラムを移行する>
<プログラミングして迷路を走らせ、検証しうまくいくまで試す>
プログラミングを中心に講義や実習を行ってきましたが、プログラミングした結果を実際に映像で確認する、
実際に走らせてみて検証し、プログラミングのパラメータを変えて再検証するなどメカトロニクスの実際を
体験することができました。情報の授業やこれから行われる課題研究などに生かしてほしいと思います。
【探究の熊西】自然科学交流会(埼玉県北部地区)
10月7日(土)熊谷西高校を会場として自然科学交流会を開催しました。
今回の発表会は、日頃の理科における部活動等の交流を行い、親睦を深めるとともに、互いの研究手法や知見を意見交換によって深め、今後の研究活動に活かす。生徒の活動意欲を高揚することを第一の狙いとしています。 また地域における科学教育活動促進を目指しています。
当日は90名以上の生徒、教職員が集まり、主に熊谷高校・熊谷女子高校・熊谷西高校から約30テーマのポスター発表がありました。杉戸高校や大宮南高校から意見交換や助言をいただきました。
開会式にて校長先生から激励を受けています。
生徒達も真剣に聞いています。やる気十分です。
生徒達の発表の様子です。
3会場でポスター発表となりましたが、どこも活発な意見交換が行われました。
生徒達は「いいねカード」をポスターに貼って、互いの発表について良い点、改善点を指摘していました。
どのポスター発表からも実験への熱意が伝わってきました。
今回の発表で多くの助言をもらい、新たに実験の進む道を切り拓いていきましょう。
みんなで埼玉県北部地区の科学リテラシーを担っていこう!ファイト!!
【探究の熊西】放線菌チーム自主研修 with 山梨大学
8月の平日、課題研究の放線菌チームが自主研修として山梨大学より山村先生をお招きし、研究のアドバイスをいただきました。(講義と実習に集中していて、写真を撮ることをすっかり忘れたため、文章のみでの報告です)
これまで校内の土から放線菌を見つけるため、数えきれないほどのシャーレで培養を行ってきましたが培養できず…と思い込んでいたら、ちゃんと培養できていました!!しかも数種類はいそうとのこと。コンタミネーションもしておらず、いいサンプルとのことでした!やはり、専門の方に見ていただくことは大事だと痛感しました。
今後は、急ピッチで放線菌コロニーのシングルコロニー化を進め、抗菌物質を産生するか確認していきます。放線菌の新種が見つかるかもとのことで、また一つ、夢が膨らみました。今後の研究に期待です!
【探究の熊西】【自然科学部】チームアライグマ野外実習 in 都幾川
8月の平日、県内6校より50名近くの生徒が集まり、水生生物班、昆虫班、植物班の3班に分かれて実習を行いました。熊西からは1,2年5名が参加しました。
今回の実習では、野外での採集活動を通して、その後の同定の仕方や、標本としての保存の仕方を学び、実践しました。昼休みには雨が上がるのを待ちつつ、生徒考案の昆虫ジェスチャーゲームも行い、盛り上がりました!他校とのつながりをより深めることのできた1日となりました。
<水生生物班>
↓都幾川での採集
↓分類・同定作業
↓ハグロトンボ
↓カジカ
↓まとめ&発表
<昆虫班>
↓都幾川河川敷で陸上昆虫の採集
↓まとめ&発表
<植物班>
↓都幾川河川敷で陸上植物の採集
↓植物標本作り
↓まとめ&発表
全体会の解散後、熊西は文化祭に向けた標本作成のため、残って昆虫採集を行いました。
【探究の熊西】【自然科学部】遺伝子解析実習in日本薬科大学
8月上旬、県内6校より24名の生徒が集まり、6班に分かれて実習を行いました。熊西からは1,2年6名が参加しました。
今回の実習では、気道粘膜組織を用い、病原体のセンサー分子として知られるToll 様受容体( TLR Toll Like Receptor )の遺伝子発現をPCR法、アガロースゲル電気泳動法を用いて確認しました。
実習中に待ち時間があり、その時間を使って実習内容にかかわる講義も行われ、充実した1日となりました。特に1年生にとっては未学習の内容であったため、講義によって理解が深まったと思います。また、各班にTAがつき、実習をスムーズに行うことができました。
①気道粘膜組織からDNA(total RNA)の抽出
本物のサンプルを使用する前に、マイクロピペットの操作法を確認しました。
確認後、ヒト由来の培養気道上皮細胞から、核酸のひとつであるRNAを効率よく抽出・精製する手法や定量方法を学び、実際にtotal RNA抽出を抽出しました。実習過程から、RNAとDNAの共通点と相違点、核酸の性質について理解を深めました。
②PCR法を用いて目的領域の増幅
RNAサンプルをPCRで増幅する前に、きちんとRNAが抽出できたかどうか、total RNA濃度を分光光度計で測り、RNAの存在を可視化し、検出しました。同時に、ヒトの細胞や体液中に豊富に存在するRNase (リボヌクレアーゼ)について、total RNAへの影響を検証しました。
確認後、RT-PCR法によりウイルス応答遺伝子(TLR)の発現解析を行いました。
↓分光光度計でRNA濃度が十分かどうか確認します。
↓サーマルサイクラー
③電気泳動法にてバンドの確認
最後に、PCR産物をアガロース電気泳動法により分子量の大きさに応じて分離し、可視化することで定性・定量を行いました。
今回の実習では、特にウイルスと細菌の認識受容体であるTLR3とTLR4の2つの遺伝子について、気道上皮細胞での発現を確認しました。さらに、気道上皮細胞へウイルスや細菌感染がおこった状況を培養環境中で再現したサンプルを用いて、それらの影響を確認しました。
↓アガロースゲルのウェルにサンプルを入れていきます。
↓最後に、ブラックライトを当ててバンドを確認しました。
遺伝子解析では高校生の研究活動でも一般的に扱うようになったバイオテクノロジー。その基本的な操作、および、天然物からDNA(RNA)を抽出し、濃度を測り、PCR法でDNAを増幅し、電気泳動法でバンドを確認する。その流れを経験することができました。薬学部では3年で行う実習とのことでした。生徒が丁寧に操作する姿が印象的でした。
臨海実習2023
熊西の2年理数科は、毎年夏休みの大潮の時期に、千葉方面へ臨海実習に行きます。
今年もまずまず天気に恵まれ、予定通りの行程で実施することができました。
朝早くから夜遅くまで、スケジュール盛りだくさんの内容を、写真たっぷりでご報告いたします。
主な行程は以下の通り。
【8/1 1日目 熊谷→銚子ジオパークで巡検】
【8/2 2日目 AM銚子にて船上からスナメリ観察、PM茂原にて天然ガス・ヨウ素施設見学】
【8/3 3日目 勝浦にて磯の生物採集&観察、地層観察】
【8/1 1日目 熊谷→銚子ジオパークで巡検】
朝7:00、学校に集合し、いざ、東京湾へ!
しかし、特に千葉県に入ってから、激しい暴風雨と渋滞に見舞われてしまいました。
運転手さん、安全運転本当にどうもありがとうございましたm(_ _)m
無事に銚子ジオパークに到着し、雨の中ではありましたが班ごとに巡検。
特に屛風ヶ浦は、過去の地層を直接陸上から観察できる、全国的にも貴重な地域です。
今日も灼熱の熊谷に比べるとはるかに涼しく(たぶん30℃以下!)、3時間ほど海岸沿いを歩きました。
夜はホテルの屋上で天体観察、の予定でしたが残念ながら曇空。中止としました。
↓東関東道。バス内より撮影。雹も降りました。
↓海浜植物ハマゴウの観察。海浜植物はどれも、強烈な潮風に耐えるため葉が厚いです。
↓国の天然記念物、犬岩。
↓こちらも国の天然記念物、屛風ヶ浦の観察。過去の地層を丸ごと見ることのできる、貴重な場。
↓夕食
【8/2 2日目 AM銚子にて船上からスナメリ観察、PM茂原にて天然ガス・ヨウ素施設見学】
前日、一度は出航中止の連絡が入りましたが…波が収まり、乗船することができました!
このイベントを最も楽しみにしていた生徒も多いのでは?
大きく体調を崩す生徒もおらず、全員がスナメリを見ることができました。
スナメリは、ベルーガを小さくしたようなイルカで、東アジアに生息しています。
洋上には巨大な風力発電も。将来的に20~30基ほどが立ち並ぶそうです。
午後は、茂原に移動して天然ガス・ヨウ素施設の見学を行いました。
天然ガスが川底からポコポコ出てきている様子も観察できました。
ヨウ素はなんと、日本が世界シェア第2位なのだそうです!日本が誇る貴重な輸出天然資源です。
そして今夜は、海岸で天体観察を行うことができました。
↓乗船するフリッパー号にて集合写真。
↓船上にて。多少波があり、楽しい波乗りでした!右は洋上風力発電施設。
↓川底から天然ガスがポコポコ出ている様子を観察。
↓天体観察。満月のため天の川ははっきりと見られませんでしたが…(写真は明るく処理しています)
【8/3 3日目 勝浦にて磯の生物採集&観察、地層観察】
最終日は実習のメインイベント、磯での生物採集と地学巡検です。
↓地学巡検。人もスケールになります!
↓磯での生物採集&同定作業
最後に、コロナ禍の影響がまだ残る中、生徒自身はもちろん、ご家庭や研修先、旅行会社様の御尽力で、
今年も無事に実習を終えることができました。
この場を借りて感謝申し上げます。
【探究の熊西】SSH研究発表会
8/8(火)~8/10(木)神戸国際展示場でSSH研究発表会が行われました。
(最寄りの駅で記念撮影) (会場手前で)
全国のSSH校約220校が集まり、ポスター発表が行われました。審査も行われ代表校が翌日口頭発表を行います。
(発表の様子)
(質問の様子)
(次々と発表を見に来て、質問が飛ぶ)
(審査の様子) (会場を見て廻る)
(他の発表も聞いてみる) (様々な分野の様々なブースが)
2日目は審査で選ばれた、作品の口頭発表が行われました。午後はフリーのポスター発表です。
(全体発表の様子) (ポートライナーで三宮・新神戸へ)
様々な発表を見たり、自分が発表し質問を受けたりして研究内容に対すする理解がより深まったと
思います。研究を継続した2年生も見学者として同行し、今行っている研究の過程や未解決の問題など
がよくわかったと思います。
【探究の熊西】かごしま総文2023
7月29日~31日、第47回全国高等学校総合文化祭(2023かごしま総文)自然科学部門、ポスター発表分野に埼玉代表として参加してきました。
ポスター発表部門ではポスター50作品の展示があり、発表を通して他県の学生と話し合い、意見交換を通して刺激を受け、研究の奥深さを実感していました。
三日目の半田利弘氏による記念講演では宇宙における天体の物質循環について学び、宇宙の神秘を垣間見ることができました。また、上野原縄文の森における火起こし体験や地層巡検から、鹿児島の自然と文化に触れ、その壮大さに感動しました。
受賞こそ逃しましたが、今までで最も素晴らしい発表でした。全国に出場した先輩を手本に後輩達もがんばってくれることでしょう。みんなよく頑張りました。
【探究の熊西】チームアライグマ標本づくり
先日、越谷北でチームミーティング、クビアカツヤカミキリの標本づくりを教わってきました。
ミーティングでは、8月22日予定のときがわ野外研修、
11月にチーム主催で行う予定の公開シンポジウムの内容を話し合いました。
公開シンポジウムでは、ぜひ多くの方の来場をお待ちしております。
標本づくりは、越谷北高校の生徒に教わりながら行いました。
標本というと、標本箱できれいに並べられて、
ピン止めされた物を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、
それはあくまで「展示用」であって、
写真のように半紙とコットンで包み、ラベルを付ければ標本になります。
(ただの「死体」ではなくなります!)
いつ、どこで、誰が採集したかを記すラベルが、とにかく大事です。
文化祭に向けて、熊西でも標本制作を始めたいと思います。
↑ミーティングの様子
↑標本づくりの様子①
↑標本づくりの様子②