第Ⅲ期SSHの取組
【探究の熊西】文部科学副大臣の視察訪問!!
令和7年1月20日(月)文部科学副大臣 野中厚様、埼玉県教育委員会教育長 日吉亨様、熊谷市副市長 大島英司様が、熊谷西高校 第Ⅲ期SSHにおける理数科の課題研究、普通科の探究活動について視察訪問されました。
本校理数科では、生徒の興味・関心をもとに専門性を深め、大学と連携して課題研究を進めていきます。今年度は化学において日本学生科学賞の埼玉県代表となり、物理において全国総合文化祭の埼玉県代表となっています。そして、理数科の生徒は野中様、日吉様へ課題研究の成果を披露し、実験への熱意を語り、様々な意見交換をさせていただきました。
また、本校では生徒の興味・関心を伸ばし、普通科2年生は班や個人で1年間探究活動を行います。特に今年は熊谷市様・(株)ユーカリヤ様と連携し、「10年後、20年後も住みたいと思える籠原駅南口の再開発」について取り組みました。普通科の生徒は野中様、大島様へ探究活動の成果を披露し、探究活動の面白さや工夫した点を語り、様々な意見交換をさせていただきました。
最後は代表生徒と意見交換を行いました。生徒は探究活動や課題研究の楽しさに気付いたこと、成長したことについて語り、野中様、日吉様、大島様は力強く挑戦する大切さを生徒へ伝えてくださいました。
今後とも生徒第一に探究活動と課題研究を通して、熊谷西高校の生徒も教員もみんなで成長していきたいと思います。
【探究の熊西】企業連携:電子顕微鏡(日立ハイテク)
今年度も株式会社日立ハイテク様から電子顕微鏡をお借りしました。
地域における科学教育の振興を目的とした理科教育支援活動として、株式会社日立ハイテク様より日立卓上顕微鏡TM4000PlusⅡをお借りしています。大変ありがとうございます。
電子顕微鏡とはどんなものでしょうか?
世の中で最も小さい電子を対象にぶつけて、その形状を見ていきます。そのため、光学顕微鏡よりも小さいもの、ミクロの世界をのぞくことが出来ます。ただし、電子をぶつけるため真空が必要であり、観察する対象は金属など導電性があるほうが有利です。
しかし、日立卓上顕微鏡TM4000PlusⅡは真空度を制御して、導電性のない対象も観察できます。さらに、電子を対象にぶつけてその跳ね返りを見ているので、観察対象の材質の違いを見ることも出来ます。
理数科や自然科学部の生徒たちが電子顕微鏡観察を行いました。
【目的】
電子顕微鏡を用い、価格の異なるコピー用紙で繊維や構造を観察、比較することを目的としました。
【仮説】
コピー用紙の値段により、実際に見たときも、表面の粗さや用紙の厚さなどに違いがある。そのため電子顕微鏡で観察するとき、価格の低いコピー用紙では、繊維の密度が低く、太さや長さがばらけているような画像が見られると考えた。反対に、価格の高いコピー用紙では、紙の繊維の密度が高く、繊維が均一な画像が見られると予想した。
【結果】
観察モードは5kV|Mode 3、真空モードは帯電軽減(L)に設定した。高いコピー用紙と安いコピー用紙でそれぞれ検出器を反射電子と二次電子、倍率を500倍と1000倍にして観察した。
【考察】
画像からコピー用紙の価格が高い方が、表面が滑らかで、紙の繊維の密度が大きいことが確認できた。表面の繊維の方向がそろっていて、二次電子の1000倍の画像で比較したときには、価格の安い用紙よりも、繊維の太さや長さが均一に見える。また、価格の低いコピー用紙は、紙の繊維の密度は低く、500倍の二次電子の画像からは特に細くさけていることが確認できた。繊維はコピー用紙の高い方が太く、これには用紙の厚さも関係しているのではないかと考えた。これらから、コピー用紙の価格と紙の品質の相関関係は強いと判断できる。
〈追加でこんなものも電子顕微鏡でみてみました!〉
牛乳パックの表面は水分がしみ込みづらいようコーティングされている様子やカーボン紙の表面に炭素が付着している様子がわかります。切手についても特に裏面に糊がコーティングされているのがわかります。目視やさわり心地では大差がないように感じますが、電子顕微鏡でミクロの世界を観察するとその小さな差がはっきりと違いとして見ることができますね。
【探究の熊西】【自然科学部】チームアライグマ高校生生物多様性フォーラム
昨年12月、埼玉県環境科学国際センターにて高校生生物多様性フォーラムに参加してきました。
午前中はセンターの施設や研究室の見学、午後は埼玉大学 荒木祐二准教授による田島ヶ原のサクラソウに関する講演の聴講とポスターセッションを行ってきました。
特にサクラソウの講演については、県花でありながら北部ではあまりなじみのない花ですので、非常に興味深く聞くことができました。
チームアライグマでは今後も広く交流を持ちながら、調査・研究活動を行っていきたいと思います。
↑研究室見学。鳥の標本についての解説を受ける。
↑施設見学。野外で解説を受ける。
↑研究室見学。県内大気汚染の様子について、実際の計測で使用したフィルターを見せてもらう。
↑無響室。室外と比較しました。
↑サクラソウに関する講演会
↑ポスターセッションの様子
↑総勢6校が集まりました!
【探究の熊西】SSH国際研修
12月19日(木)3・4限に理数科2年生を対象として、SSH国際研修を行いました。生徒の国際感覚を磨くため、企業法律の専門家である神林様にご講演をお願いいたしました。今回はZoomでマレーシア・東京・熊谷をつないで実施しました。
神林様はマレーシアにてLikearisingsun Sdn. Bhd.、CEOを務められています。法律家の視点から、理系企業の研究・商品開発・品質管理等における知的財産・特許関係・海外進出等に触れていただきます。また、ご自身の海外で働くことを目指した理由、決断の過程、現状の仕事の面白さを講演いただきました。
人と人とのつながりを大切にし、相手とフェアに仕事をする姿勢は生徒に大きな影響を与えたと思います。生徒には自分の将来を考えるきっかけにしてもらい、海外へ挑戦する選択肢もあるということに気付いてもらえればと思います。各自が自分の夢を目指し、叶えられるよう指導していきたいと思っています。
【探究の熊西】【自然科学部】チームアライグマ中谷医工成果発表会
22日、自然科学部生物班が参加しているチームアライグマが活動助成を受けている中谷医工財団主催の成果発表会に、チームを代表して川越女子高校、越谷北高校とともに出席してきました。
助成先は小中学校、高校、大学と多岐にわたり、異校種による大変有意義で興味深い発表会でした。
初心を思い出させてくれる研究や本校と似た手法を用いた研究もあり、ポスターセッションの質疑は大いに盛り上がりました。
今後もチームアライグマは、複数校連携研究として続けていきたいと思います。