第Ⅲ期SSHの取組
【探究の熊西】第2回理数科課題研究発表会(中間発表会)
10/24(月)5・6・7限 視聴覚室で表記発表会が行われました。
1年生2グループ、2年生17テーマの発表が行われ、3年生を始め活発な質疑が行われました。
発表テーマは以下の表のとおりです。
1年生は、1学期に行った物理のユニット型研究の「エッグドロップ」を英語にしました。クラスで10班の中から選抜された、1つの班が発表しました。
次に、2学期の生物のユニット型研究「コドラート法による学校内の植物の分布」でも最も優秀な1つの班が発表をしました。
<物理「エッグドロップ」英語発表> <生物「コドラート法」発表>
続いて、2年生が上記の17テーマの発表を行いました。先日科学展に出品し良い結果を得たものから、この研究発表会に向けて実験・まとめを頑張ったもの、数学・情報・物理・化学・生物・地学と多くの分野で研究中間発表が行われました。
「数学・情報分野」
<数学分野> <情報分野>
「物理分野」
「化学分野」
「生物分野」
「地学分野」
3年生をはじめ、2年生や先生方からも多くの質疑がありました。
1つの発表に対しほとんど質疑応答があり、研究発表会としてふさわしい雰囲気でした。
次回は、いよいよまとめの発表会です。また、北部地区発表会、埼玉県理科研究発表会、つくばサイエンスエッジなど外部の発表も続きます。今回の中間発表の経験を生かして、外部の発表会や2月のSSH研究発表会に臨んでもらいたいと思います。
【探究の熊西】SS地学Ⅰ「断熱変化と雲の発生」実習
2年生理数科「SS地学Ⅰ」の授業で、断熱変化を実際に観察・観測し、雲の発生実験を行いました。
最初に真空調理機を使って、空気を抜いて気圧を下げると温度や体積はどうなるのかを観察・測定
しました。この実験の前の授業で、大気圧の測定実験も行っています(昨年度HP参照)
<真空調理器とデジタル温度計・袋菓子> <空気を抜いた時の様子・温度も低下>
次にシュポシュポくんを使って、雲の発生を定性的に観察しました。
<シュポシュポくんで雲を作る> <少し大きめのフラスコで作った雲>
今度は雲発生器を使って、膨張した時の温度やフラスコの中の変化、収縮した時の変化を観察し温度を測定します。
<雲発生器で観測している様子> <ピストンを押したり(収縮)引いたり(膨張)>
最後は真空調理機で気圧を下げ80℃のお湯を沸騰させる、低圧沸騰の実験です。
<ビーカーの中の80℃のお湯が沸騰する>
気圧と体積や温度の変化、そして雲がなぜ上空で発生するのかを、実験を通して理解してくれたと思います。
【探究の熊西】科学展二次審査(中央展)へ5作品出場決定!
10/3(月)に科学展一次審査の結果が発表され、本校から出展したうちの5作品が二次審査である中央展に進むことになりました。全県で約100作品が出展し、各分野に分かれて専門の先生方が審査し30作品が中央展に進めます。同一校で5作品が中央展に進んだのは、本校と浦和第一女子高校の2校だけです。
10/21(金)に中央展が行われ、30作品のうち上位6作品が日本学生科学賞の全国審査に行くことになります。また、各分野の上位が来年度の全国高等学校総合文化祭(鹿児島大会)の候補になります。
中央展に進んだ作品は次の5つです。
・化学 自然科学部 電気化学的手法による二酸化炭素の還元
・化学 自然科学部 フッ化物イオン添加による硫化亜鉛ナノ粒子の発光
・植物 自然科学部 Hemerocallis 属における生息地の違いと種分化に関する系統解析
・地学 自然科学部 クレーターからの白い足跡を追え!~光条ができる要因~
・地学 自然科学部 風の学校~地域・学校の微気象を探る~
【探究の熊西】物理実験~オームの法則~
3年理数科のSS物理Ⅱの授業で、オームの法則の実験を行いました。
オームの法則は中学校でも学習しますが、今回はカーボン抵抗と豆電球の2つでオームの法則が成り立つかを調べました。調べる回路は自分たちで考えて1から組んでいきます。
久しぶりの電気回路、「これって直列?並列?」「リード線足りない!持ってくる!」など声を掛け合いながら活気あふれる実験となりました。
【探究の熊西】物理実験~メートルブリッジ~
3年物理の授業では、メートルブリッジという回路を組み、値の分からない未知抵抗の抵抗値を測定しました。
話し合いながら電気回路を組み、協力して実験を行っていました。
最後に測定値と理論値を比較し、誤差率を計算します。
最も近かった班の誤差率はなんと0.4%!
実験を通して、目に見えない電流の流れを実際にイメージできたようです。
【探究の熊西】SS地学Ⅰ「フズリナ剥片の作成と同定」実習
理数科2年の「SS地学Ⅰ」の授業で、古生代末(約3億年前)に生息していたフズリナの薄片を作成し、同定と年代の推定を行いました。フズリナ類は有孔虫の仲間で、石灰質の殻を持ち、アメーバのような単細胞生物だったと考えられています。(大きさ10mm位の米粒状のもの)
(白く見えている米粒状のものがフズリナ)
佐野市葛生の石灰岩(セメントの材料)をチップ状(縦30mm×横20mm×厚さ5mm)に切断したものを、研磨して薄片を作っていきました。
片面をカーボランダムとアランダム(研磨剤)で粗いものから、だんだんと細かいもので研磨し(#120~#3000)
厚さ0.5mm位にします。その後プレパラートに貼り付け、0.02mm(文字が透けて見えるくらい)まで裏面を同様に研磨します。ここまで大体5時間くらいかかります。
<薄片の研磨の仕上げ #3000> <できあがった薄片>
その後、双眼実体顕微鏡で検鏡しスケッチをします。
<全体の様子> <スケッチをしている様子>
スケッチが済んだら、特徴からフズリナ類の同定作業を行います。
<スケッチと比べながら特徴から同定する> <フズリナのスケッチ>
スケッチ・同定・年代判定まで行って大体7時間くらいの実習でした。石を削る経験などなく単純作業が長い実習ですが、剥片が出来上がるにつれ達成感も出てきて、同定作業も真剣に行っていました。
地道な作業と細かな観察が、自然を観察する上で基本となります。その一端を感じ取ってくれればと思います。
【探究の熊西】日本理化学協会賞を受賞!
理数科の教育活動に対して、日本理化学協会から日本理化学協会賞を受賞しました。日本理化学協会は全国高等学校における理科教育の充実発展を目指す団体です。
昨年度に行われた本校の課題研究「戦国・江戸時代に学ぶ古土法による硝石作り」に対して協会賞をいただきました。詳細を下記のpdfからご覧いただけます。
江戸時代における床下の土と木灰による硝石作りを古土法といいます。この古土法を化学的に捉え、実験の中で抽出・濃縮・析出という体験を通して技術を高め、歴史的意義を考え議論し、地域文化への理解を深めました。
床下土を集めます。
抽出液を濃縮します。
土中の硝酸イオン濃度を測定します。
硝石を析出させましょう。
江戸時代になぜ古土法が普及したのか。
歴史的意義について議論しました。
日本理化学協会からの講評を下記に掲載させていただきます。
【選定理由】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本研究は、歴史の内容を含んだ教科横断的な探究活動の取組みである。また、地域各地の土壌を収集して硝石作りを再現した、地域探究活動であるといえる。各地域の試料採取場所や、地表からの深さについて、定量的な評価も行っている。
全6回の取組計画の中で、試料の採取、濃縮・抽出、結晶の析出、定性・定量実験、グループディスカッションを進行させながら、途中で専門家(大学教授)による硝石作りの歴史的意義についての講義を受けて「古土法」における歴史的な背景を学んでいる。この過程で、抽出・濃縮・結晶析出等で実験の基本的操作を体験できる。また、生徒が生活する環境における床下土の深さによる硝酸イオン濃度の比較や、火薬の主原料である硝石1kgを得るのに必要な床下土・木灰を見積もることは、量的関係を理解するのに重要な要素といえる。
地域で忘れ去られていた硝石作りの歴史を探究することで、科学技術としての歴史的意味を考察でき、祭りに注目することにより、地域の文化的行事の理解が深化する。歴史的な見地からは、家内工場で床下土を採取して、硝石を生産するという、江戸時代の産業の一端を垣間見ることができる。またこのころ、各藩で生産活動が盛んになっており、藩のプロジェクトとして硝石づくりが行われていたことは、藩政改革とも一致するという他教科に繋ぐ内容である。
以上のことにより、現在の教育活動に求められる教科横断型学習、地域探究活動に加え、高大連携等の視点が盛り込まれた本研究は、日本理化学協会賞にふさわしい研究といえる。
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本校の理数教育に対して、評価をいただけたことは大変有り難いことです。今後とも「探究の熊西」を掲げ、研究活動を通して理数教育の充実と生徒の成長に寄与していきたいと考えております。
【探究の熊西】 SSH先進校視察の受入れ(宮城県多賀城高校)
9/15(木)14:00~17:00に宮城県多賀城高校が、本校のSSHの取組について視察に来ました。他校から視察を受けるのは、今期に入って初めてのことです。
多賀城高校は1期目の5年次にあたっており、2期目に向けてどのような方向性で臨んでいいか、その具体策を知るために視察に来ました。
なぜ本校を視察先に選んだのか伺ったところ、その理由を次のように答えてくださいました。
①優れた課題研究を実践していること
②理数科から全校へ対象を広げ成功していること
③目指している期であり、行っていることなどが似たような学校であること
このような観点で、選んでいただいたようです。
他校への視察も同時に行う予定なのか尋ねたところ、本校の視察のみのために宮城から来てくださったとのことでした。
SSHの活動が似ており、今期の活動を知りたいとのことででしたので、まずは今期の本校の柱について話しました。
本校の今期SSHの2つの柱である、KN-Line(対話を通じて学び合う)とSL-Net(地域の学びの拠点校)についての説明と、進捗状況を話しました。
また、1期目から2期目にかけてどのように理数科だけでなく全校へSSHを移行していったのか、先生方のコンセンサスはどのように取れていったのかなどを中心に話しました。
そして課題研究などがどのように優れたものになっていったのか、さらに普通科での課題研究が充実したものになったかなどについても活発な質疑応答が行われました。
2期目で問われるのは「全校体制でSSHに取り組む」ことです。多賀城高校は現在、”災害科学科”を中心にSSH活動を行っていますが、それを全校体制にどう持って行くのか、また課題研究をより充実させ優れたものにしていくにはどうすればいいのか腐心されているようでした。
本校も来年度で2期目が終わります。3期目を目指すのであれば、現在掲げているSLーNetの充実と発展が欠かせないものになってきます。多賀城高校の先生方の真摯な姿を見て、今期の課題をしっかりと行わなければならないと改めて思いました。
【探究の熊西】ユニット型ミニ課題研究「コドラート法による植生調査」
2学期より、理数科1年がユニット型ミニ課題研究 生物分野「コドラート法による植生調査」に取り組んでいます。
初回授業は、説明の後、さっそく植物採集に校内各所へ散りました。
コドラートとは日本語で方形のことで、その枠内の植物を調べることで、その土地全体の環境調査等に利用します。
コドラート調査のようなフィールド調査は時間がかかるため、普段の授業ではなかなか行うことができません。理数科ならではの取り組みです。
雑草にも必ず、一つ一つに名前があります。次回からは、採集植物の同定作業を行っていきます!
【探究の熊西】Global Link Online 2022 出場
文化祭と同日の日程でGlobal Link Online 2022が開催され、本校理数科3年生の代表2チームが出場しました。
東京工業大学 地球生命研究所をメイン会場として、アジアの6地域(シンガポール・ベトナム・タイ・インドネシア・台湾・日本)をオンラインでつなぎ、Basic Science(基礎科学分野)、Applied Science(応用科学分野)、Social Science(社会科学分野)に分かれて英語プレゼンテーションとQ & Aセッションに臨みました。総勢52チームが出場し、講演や交流会も含め、すべて英語で行われました。
2チームとも、事前準備の甲斐あって、英語プレゼンテーションは完璧でした。
しかし、Q & Aセッションでは、ALTの協力を得るなど可能な限りの準備をしたつもりでしたが、そもそも質問の内容がハイレベルで、思うように答えることができませんでした。British Englishも聞き取りが難しかったです。後に質問内容について再考してみましたが、日本語で聞かれたとしても、答えるのが難しい内容だったと思います。
出場した代表生徒はもちろんですが、それを支えたチームメンバー、教員含め、非常によい勉強の機会となりました。高校生らしい視点と大人並みのアカデミックな手法が求められていると痛感しました。
今後も研究に邁進してまいります。
【探究の熊西】とうきょう総文2022出場
本校理数科で取り組んでいる課題研究のテーマの一つ、Hemerocallis属の系統解析に関する研究が、
埼玉県の生物分野を代表して全国高等学校総合文化祭東京大会~とうきょう総文2022(8/2~4)に出場しました。
最優秀賞を取ることを目標に臨みましたが、残念ながら受賞は果たせませんでした。
当日、全国の代表者の引き締まった雰囲気に圧倒されましたが、
積み重ねてきた練習を信じて臨むことができました。
いざステージに立ってみると、私たちの研究が評価されたからここに立っていることに気づき、
それが自信となって、堂々と発表することができました。
生徒交流会でも全国の高校生と話ができ、全国のレベルの高さを痛感し、よい刺激となりました。
今後、後輩たちが更なる功績を残してくれるように期待しています。
臨海実習2022
熊西の2年理数科は、毎年夏の大潮の時期に、千葉方面へ臨海実習に行きます。
今年は例年になく天気に恵まれ、ほぼ予定通りの行程で終えることができました。
朝早くから夜遅くまで、スケジュール盛りだくさんの内容を、写真たっぷりでご報告いたします。
主な行程は以下の通り。
【7/27 1日目 熊谷~日本科学未来館~勝浦】
【7/28 2日目 勝浦 海の博物館~銚子】
【7/29 3日目 銚子海洋研究所/銚子ジオパーク~熊谷】
【7/27 1日目 熊谷~日本科学未来館~勝浦】
朝7:00、学校に集合し、いざ、東京湾へ!
日本科学未来館では体験型アトラクションやガイドツアーで質問等に答えながら、
最先端の技術や未来の科学の方向性について学び、考えました。
夕方、ホテルに入る前に勝浦・海の博物館前の海岸で、地層等を観察。
夜はホテルのビーチで天体観察。
南の低い空にさそり座がくっきり!(写真で伝わらないのが悔しいです…)
土星の輪や天の川も観察することができました。
↓未来館にて、ツアーを受講中。最後は、名物の動く地球、「ジオ・コスモス」
↓海岸にて。このときはほぼ満潮だったので右側が海に浸かっていますが、明日の干潮時には一面磯になります。
↓天体観察。右写真の全体に、右上隅を頭(鋏)にしてさそり座が映っているのですが、わかりますか!?
【7/28 2日目 勝浦 海の博物館~銚子】
午前は、実習のメインイベント、磯での生物採集と地学巡検です。
午後は実習初の新企画、バスに乗ってNPOの方に解説していただきながら、
天然ガスを引いて実際に利用しているお宅を回りました。
恥ずかしながら、教員の私自身が、日本でも天然ガスを採掘でき、
しかも利用していることを初めて知りました。発見の多い、新鮮なツアーでした。
↓地学巡検。露頭の観察。
↓きれいなハロも見れました。
↓大潮の干潮。一帯が磯となりました。採集作業の様子。
↓同定作業中。カニ班と貝班。
↓死滅回遊魚を中心に、魚もたくさん。捕まえるのに本当に苦労しました!
↓NPOの方のガイドを聞きながら、バスツアー。個人宅に天然ガスを溜めるタンクがあります。現役の設備です。
【7/29 3日目 銚子海洋研究所/銚子ジオパーク~熊谷】
2グループに分かれて活動しました。
一方は、ガイドの方の案内のもと、屏風岩の上を歩きました。
過去の地層を直接陸上から観察できる、全国的にも貴重な地域です。
写真でもわかる通り、本当にいい天気でした!
↓名物、「犬岩」
乗船企画3年目…ようやく乗船することができました!
(過去2年は台風接近等で出航できませんでした)
このイベントを最も楽しみにしていた生徒も多いのでは!?
スナメリという、ベルーガを小さくしたようなイルカを、全員が観察することができました。
洋上には巨大な風力発電も。
数年後には、20~30基ほどが立ち並ぶそうです。
↓友情出演、ヘラヤガラ
最後に、コロナ禍、生徒自身はもちろん、ご家庭や研修先、旅行会社様の御尽力で、
今年も無事に実習を終えることができました。
この場を借りて感謝申し上げます。
【探究後記】
熊谷にいていいことは…
どこに行っても涼しく感じること!(笑)
勝浦では昼の12時でもヒグラシが鳴いていました。
1年生と2年生の「総探」交流会
記事の内容がかなり前の出来事になってしまい申し訳ない限りですが、昨年度から始まった1・2年生による「探究交流会」を今年度も行いました。1年生は「そもそも探究って?」「調べ学習と何が違うの?」など素朴な疑問を抱く人もいたと思います。1年生の授業でもその説明はされていますが、どんなことを探究できるのか知るために2年生が1年生に、昨年度の2回目の探究の内容をスライドを用いて発表しました。少しでも「探究」のイメージが具体的になって、それぞれの調査に活かして欲しいと思います。
【探究の熊西] 長瀞・自然の博物館巡検
7/13(水)に長瀞の地質を中心とした巡検を行いました。
前日は鳩山・東松山など比企地域で豪雨があり、実施が心配されました。前日から巡検地のモニターや水位情報と降雨状況を見ており、当日の状況と降雨予報から実施する判断を下しました。
9:00に自然の博物館前に集合し、長瀞の岩畳へと歩いて移動しました。商店街を抜け岩畳に降りる直前に、今日の巡検ポイントなどの説明を、博物館の学芸員さん(ブラタモリでも登場した方です)にしていただきました。
<本日の巡検の概略説明> <長瀞と埼玉の地形の説明>
岩畳に降りて岩石の特徴は何かを考え、結晶片岩のでき方について露頭から考えていきました。
片理や節理がどうしてできるのか、日本列島のでき方(付加体・変成岩)と関連した説明も行われました。
<岩畳の岩石の特徴を観察する> <片理・節理、付加体と日本列島のでき方の説明>
岩畳を歩きながらあちこちで見られるポットウォール(甌穴)のでき方、その断面からわかる
結晶片岩の構造の観察を行いました。また、河岸段丘が発達している両岸を確認しながら、そこが
なぜかつて河床だったのか、ポットウォールの存在と共に観察・確認し現地の地形や地質を元に
考えていきました。
<ポットウォールの観察> <ポットウォールとその意味について考える>
断層によって曲げられた小滝の瀬を観察した後博物館に行き、見てきた結晶片岩と地質に関することを中心に調べて確認しました。
<小滝の瀬の断層面> <段丘面上の湧水と旧河道>
<博物館での調べ学習と確認>
博物館の見学の後、虎岩の観察と紅簾石片岩の観察に向かいました。
<虎岩の微褶曲・微断層構造の観察> <虎岩の褶曲とポットウォール>
<紅簾石片岩と巨大ポットウォール>
紅簾石片岩は遠くで眺めるだけで時間がいっぱいになったので、そこで解散にし希望者だけが行くとしたのですが、結局全員が紅簾石片岩まで行き観察しました。
これから振り返りシートの作成と、壁新聞の作成が夏休みの宿題として待っています。今回の巡検の結果を、どうまとめてくるか楽しみです。
2年生「総合的な探究の時間」中間発表会
6月27日に2年生の「総合的な探究の時間」の中間発表会を行いました。昨年度は基本的に5人のチームで共通点する興味事項を、いくつかの「思考ツール」を使って探究しました。今年度は、あらかじめ自分が気になることをいくつか挙げ、それと似ているテーマの人を探して共同で探究していく形をとっています。同じようなテーマの人が見当たらない場合は1人での探究も可としました。ともすると、仲の良い同性のグループになってしまいがちですが、男女の混合グループも見られ、そういった力も育っているのだなと係として嬉しく思いました。
さて、今回の中間発表は生徒たちは自分たちの探究がどうしたらよりよくなるかをともに考えてもらう機会です。時間が少ない中での発表でしたが、クラスメイトからのフィードバックを活かして、さらに面白い探究にしていってほしいと思います。
6/20(月) 第1回 理数科 SSH課題研究発表会
6/20(月) 第1回 理数科 SSH課題研究発表会 (5~7限、視聴覚室)が行われました
研究発表のテーマと発表者は以下の通りです。
3年
1 Quantification of carbon dioxide reduction system using titanium dioxide(Ⅳ)
OOSAKA Shun, SHIMAZAKI Konatsu, NAKAZAWA Hiroto, YAMAMOTO Kaito
2 The Mystery of the White Fireworks Blooming in the Moon
~Factors in the Formation of various ray~
ICHIMURA Haruka, KOJIMA Airi, HASHIMOTO Imari
3 Luminescence characteristics of zinc sulfide
WATANABE Yuuri, KIMURA Kousuke, SANO Misaki, HIGUCHI Ryouga
4 Phylogenetic analysis of habitat differences and speciation in the genus Hemerocallis
YAGIHASHI Ayumi, SUDOU Itsuki, KITAMURA Shinnosuke
2年
1 Hemerocallis属における生息地の違いと種分化に関する系統解析 鈴木、小澤、田中、原 6限
2 チームアライグマの活動報告~特定外来種アライグマとクビアカツヤカミキリの痕跡調査 桑原、木村、奥野
3 放線菌の単離方法の模索 長島、阿部、河井
4 季節が単離に与える影響 北村、一戸、矢澤
5 プランターで野菜を育てよう~安く・早く・たくさん収穫~ 田口、髙尾
6 多様な植物を使った紙の作成 桑原、木村、奥野
7 染料の抽出 石川
8 モータースポーツ研究計画 空力部門 井上
9 位置エネルギーを利用して前進する四足歩行ロボットの制作 笹沢、小野瀬、新
10 位置エネルギーを利用して前進する関節付きロボットの制作 田所、藤井、富樫
11 歩行AIの作成 篠﨑、髙山
12 カプレカ数と分野ごとの関係 赤瀬、相澤、浅賀、池田、新井勇
13 酸化チタン(Ⅳ)を用いた二酸化炭素の還元 中村、小川
14 硫化亜鉛ナノ粒子化の生成方法の最適化
15 分離色の分離の速さに関する研究 丸田、日髙
16 クレーターから白い足跡を追え!~光条ができる要因~ 山下、松島
17 風の学校~地域・学校の微気象を探る~ 新井理、江利川、髙橋
1年
1 エッグドロップ 9班 本領、松村、武藤
<3年:英語による発表>
<2年:物理> <2年:化学>
<2年:生物> <2年:地学>
<2年:数学> <2年:情報>
<1年:エッグドロップ>
<活発な質疑応答の様子>
3年生の英語による発表は、日本語の要旨も配布されていたため研究内容もよくわかり、発表も
分かりやすかったと思います。英語による発表のためか、規定の時間をオーバーするところも多く
ありました。
2年生の発表では質疑応答が活発に行われました。特に継続研究をしているグループに元々研究
していた3年生が、計画や方法の妥当性など厳しい質問が相次ぎました。2年生はこれらの指摘事項を
今後の研究に生かしてもらいたいと思います。
1年の発表はクラス代表ということもあり、よく工夫された実験とプレゼンでした。今後、他のユニット型
課題研究でも頑張ってほしいと思います。
【探究の熊西] 関東ロームを調べる
理数科2年「SS地学Ⅰ」の6月8日・10日・13日の3時間の授業で、
表記実習を行いました。
1時間目は通常の授業+岩石・鉱物の標本を使っての実物標本実習を行い、
その後、次の準備としてロームを椀がけ法で洗い出す作業を行いました。
<ロームを何回も水で砥ぐ(椀がけ)>
授業の時間内では乾燥できないので、椀がけをして紙に鉱物を広げ
乾燥させ、次の時間に本格的な観察を行いました。
2時間目は鉱物の選別と、同定・スケッチです。元のロームは赤土ですが
前回椀がけしたものを、図鑑を元に分類・同定・スケッチしていきます。
<元の赤土のロームと「火山灰分析の手引き」>
最初は磁石を使って、磁鉄鉱の採取。同定です。
<磁鉄鉱を磁石でより分けて観察>
磁鉄鉱の観察の後、有色鉱物と無色鉱物を1つずつ同定し
スケッチします。ここで2時間目は終わりです。
次の時間はさらにスケッチした鉱物以外のものの同定と、
それからどのような性質のマグマや火山が噴火してロームを
作ってきたのかを考えていきます。
<図鑑を見ながら鉱物の同定>
本来は2時間で行う実験ですが、椀がけの時間が15分くらいだった
こと、鉱物の同定を最後までやりたいとのことだったので少し多めの
時間をとりました。
火山灰分析から様々なことが分かることに、興味深そうでした。
分かっている試料ではなく、未知の自然のものから同定・分類する経験は
臨海実習でも役に立つと思います。
【探究の熊西】SSH松山高校英語研究発表会
6/4(土)坂戸市民文化会館「ふれあ」で標記発表会が開かれました。
受付を済ませ、ポスター発表の準備をしてから松山高校の生徒たちの
口頭発表を聞きました。
松山高校の口頭発表の様子
メモなどを見ず、流ちょうな英語で発表し、質疑も一部英語で行われました。
質問する熊西の生徒
口頭発表の評価やコメントを終了後書いてから物理・化学はステージで、
生物・地学はフロアでポスター発表が行われました。
評価とコメントを記入
ステージ(物理・化学) フロア(生物・地学)
人工光合成(酸化チタン)の発表
硫化亜鉛の発表
ニッコウキスゲ(Hemerocallis属)の発表
月の光条の発表
松山高校が14本、熊西が6本、大妻嵐山が1本発表を行いました。
英語での発表も行いましたが、日本語での発表の要望が多かったです。
大妻嵐山高校の発表
その他に発表を聞きに、松山女子高校の生徒たちも参加しました。
松山女子高校の生徒たち
多くの学校が参加することにより、様々な学校の様子もわかり
いい刺激を受けてきました。また、松山高校の方たちも他校の参加を
大いに喜んでくださいました。
【探究の熊西】火山噴火実験
SS地学Ⅰの授業でコーラとメントスを使った火山噴火実験を行いました。
ントスコーラ噴火実験
コーラにメントスを入れ、火山の噴火を模擬的に実験した画像です。
You Tube 動画はこちらのURLです。
https://youtu.be/IwDJExZoKlk
続いて火山噴火(火山灰・火砕流)モデル実験を行いました。
チョークの粉などを使い、火山灰が吹き上がり広がる様子と、重いものが落ちてきて火砕流になる様子をモデル実験したものです。
You Tube 動画はこちらのURLです。
https://youtu.be/uGT0ODIVhFs
実物の火山噴火を目の当たりにするということはできないので、このようなモデル実験で感じを掴んでもらっています。
【探究の熊西】Hemerocallis属のDNA濃度の測定~その③
課題研究で取り組んでいるHemerocallis属の系統解析に関する研究は、
大学や多くのメーカーの方から支援を受けて行っています。
今回は、実験精密機械製造会社であるワトソン株式会社の圡田様、粕谷様、
そして先日に引き続き、高信化学株式会社の松浦様に本校生物室へお越しいただき、
最新モデルの8連マイクロピペット等をお借りして実験を行いました。
遠方からお越しいただき、心より感謝申し上げます。
2年生も参加し、Hemerocallis属(ニッコウキスゲの仲間)のDNA抽出を行いながら、操作性等を確認しました。
デモ機としてしばらくレンタルさせていただけるとのことで、
使い方をしっかり身に付けたいと思います。
8連マイクロピペットの女性開発者のお話を伺うことができ、
女性でも使いやすいよう軽量化し、マカロンをイメージしたパーツがあるとお聞きした時は、
みんなでほっこりしました。
このように生の声を聞き、実際に社会人と対面で話をする機会は、
生徒にとって非常に貴重なキャリア教育となります。
学校教員だけでなしえることではありません。本当にありがとうございます。
皆様の期待に応えるべく、これからも地道な研究を続けていきます。