進路なう

【進学の熊西】1年統一進路・進路指導主事講話【2年0学期へ向けて】

10月24日(木)6限に、1年統一進路が行われました。

1年生は熱気に溢れ、分かりやすくかつ深く、ユーモア溢れる講話で、2年0学期に向け、今、意識し、行動しなければいけないことを学習していました。

平井進路指導主事からの講話の概要をお伝えします。

 

 

講話は、1時間にわたり、150枚のパワーポイントを用いて行われました。

 

 

今回のテーマは「『grit』を身に付け、高みを目指す」です。

 

・ Guts(ガッツ) : 困難なことにも立ち向かう度胸
・ Resilience(レジリエンス) : 苦境にもめげずに立ち直る復元力
・ Initiative(イニシアチブ) : 自ら目標を見つけて取り組む自発性
・ Tenacity(テナシティ) : 最後までやり遂げる執念

を中心として心を鍛え、学びの基礎体力を構築する重要性から、大学受験に向けて必要な学力や知性、人間力についてお話がありました。

 

<講話の概略>

1.時代の劇的な変化の中で生きる

2.1年生「西高生になる」が進路指導の1年時のキャッチフレーズ
「高い志」を持ち続ける

3.「grit」を身に付ける

4.「grit」の伸ばし方
         ① 少し高めの目標を設定する
         ② 小さな成功体験を積み重ねる
         ③「大変でも楽しめること」にチャレンジする
          ④ gritが強い人たちがいる環境に身を置く 熊西には恵まれた環境がある
               ~さらに、こうした人が沢山いる大学へ行くと幸せなこと。~

5.人は「環境」で変わる

6. 「3年間の教育活動全てが進路指導」
① 「授業第一主義」
② 「自学自習」
③ 「教え合い・学び合い」それは「支え合い」

7. 「熊西の学び」
どう生きたいか、どうしたいのかを第一に考える
地域のみならず、日本や世界を支え、最終的には「人類の幸福のため」となる
さらには自らが「生きる、生き抜く」ものとなる
「高次元でスケールの大きなもの」  それなら、主体的に深く楽しく学んでみよう

8 大学受験に必要な時間は3500時間から4000時間  時間は有限  時間管理は大切

9.先輩を追う  行きたい大学、行くべき大学へ高い志を持ちチャレンジ

10. 6教科8科目  特に文系の数学、理系の国語  数学は全員が克服すべき教科
    教科書は、複雑に絡み合う世の中の物事の入り口を示してくれる 学問のベビーフード

11.2年0学期へ向けて

12.  全教科バランス良く 粘り、やり抜き、貫く

13. 「ベストを尽くす。ベターではいけない。今を精一杯生きる。」 

            「フィジカル パッション 演習量」

 

<講話の概略>

皆さんこんにちは。

進路指導主事の平井利久です。

皆さんの前では4月のスタートアップ講座以来のお話ですね。

最初に自己開示として、自身の生きてきた道、哲学、キャリアを含め、少々自己紹介をします。

 

 

(内容省略)

 


そんなわけで、今日は1年生の皆さんに「grit」と今後の学習や将来への期待についてお話したいと思います。

1年生、「西高生になる」が進路指導の1年次のキャッチフレーズです。
西高生になれましたか。3年間、やり直しはききません。一日一日意識し、摩擦音を確かめながら足を踏みしめて過ごしていくことです。皆さんなら出来る。やれるのです。本当ですよ。熊西でグーンと大きく成長しようじゃありませんか。高い志を持った進路実現を果たそうではありませんか。中学生には憧れの、在校生には誇りの、卒業生には原点の学校が熊谷西高校です。楽ではないが楽しい学校が熊谷西高校です。それは我々教職員にとってもです。

さて、話を本題に戻しましょう。成功者に共通する能力として近年注目が集まっている「grit(グリット)」。grit理論が特に注目されている理由は、努力や継続の重要性が科学的根拠を持って述べられているからです。成功するかどうかは、生まれ持った才能や環境によってのみ決まるのではなく、grit=やり抜く力が重要であり、それは大人になってからもトレーニングによって後天的に伸ばすことが可能だと、ダックワース氏は提唱しています。事実、成功を収めている経営者や有名人、スポーツ選手などの多くが努力を積み重ねる大切さについて語っています。
このgritこそ10代後半に身に付けたい力です。

grit(グリット)は、4つの要素から成り立ち、それぞれの頭文字を取って「grit」になります。

・Guts(ガッツ):困難なことにも立ち向かう度胸
・Resilience(レジリエンス):苦境にもめげずに立ち直る復元力
・Initiative(イニシアチブ):自ら目標を見つけて取り組む自発性
・Tenacity(テナシティ) :最後までやり遂げる執念


つまりgritとは、困難な状態でもめげることなく、自ら目標に向かって最後までやり抜く力のことで、成功するために重要な能力です。高校時代を生きる、生き抜く。そして、高次元での進路実現を図ることに直結します。そもそも人の能力は、IQ(知能指数)といったテストで測ることのできる知的な能力(学力)である「認知能力」と、それ以外のテストなどで測定することが難しい「非認知能力」があります。非認知能力とは、具体的には、やり抜く力、粘り強さ、忍耐力、協調性、自制心、創造性、コミュニケーション能力などが該当するといわれ、gritもここに分類されます。

 

gritの伸ばし方
gritは、大人になってからもトレーニングによって後天的に伸ばすことが可能な能力です。girtを鍛えるために、具体的にどのような方法があるのか。

少し高めの目標を設定する
gritを伸ばすために最も大切なのは、成長思考をもつことです。自分の能力に限界を決めるのではなく、常に努力によって能力は向上していきます。そのためには筋肉を鍛えるように脳を鍛えていく必要があり、新たな課題を与えることで脳を成長させることができるのです。最初から全く新しいことに挑戦するのは難しいという方は、今取り組んでいることの延長線上で、少し高めの目標を設定して努力することから始めましょう。何をいつまでにどの程度と、具体的な数値や期間を設定することで目標達成が明確になり、次の目標も立てやすくなります。また、たとえ失敗をしても否定したり諦めたりせずに、「次はどうしたらできるだろうか」と前向きに考えていくことが大切です。

小さな成功体験を積み重ねる
少し高めの目標をクリアするなど、小さなことでもいいので成功体験を積み重ねましょう。ステップ・バイ・ステップ。「自分にもできる」という自己肯定感や自信が育まれて、それが次の新しい挑戦に踏み出し、困難を乗り越えていける粘り強さにつながっていきます。これまでの成功体験を書き出してみるのも、自己肯定感を生み出す一つの方法です。

「大変でも楽しめること」にチャレンジする
興味のある分野で構いませんので、新しいことにチャレンジしてみましょう。たとえ大変であっても楽しめることであれば情熱を持って打ち込むことができ、ポジティブな気持ちでgritを鍛えていくことができます。資格取得といったスキルアップ、スポーツや文化などの課外活動もおすすめです。こうした課外活動を頑張ることでやり抜く力を鍛え、仕事にも活かすことができます。

gritが強い人たちがいる環境に身を置く ~これがとても大事。こうした人が沢山いる大学へ行くと幸せなこと。~
人は、自分が所属する集団から影響を受けやすいものです。gritが強い人たちの近くにいることで、その人の考え方や行動から良い影響を受けたり、また、目標の立て方や取り組み方、姿勢など具体的なノウハウを吸収して取り入れたりできることもあります。実際、何をどのように使いこなしているのか確かめることもできます。熊西にも沢山いますよ。貴方の隣にもいませんか。社会においては、gritの強い人と一緒に難易度の高いプロジェクトに取り組んだり、gritの強い人をメンターとしてつけたりすることで、周りの人たちにいい影響を与えるような効果も期待できます。

いいですか、皆さん。成功の一番の条件とは、才能のあるなしではなく、ただやり続ける力なのです。
やってみる。動いてみる。続けてみる。

いいですか、皆さん。人は「環境」で変わります。過去のいかなる境遇をも超え、日々の高校生活の中で様々な人と出会い、多くの考え方に触れること、それらの積み重ねがイマジネーションを可能にします。「時間配分の変化」「付き合う人の変化」「環境の変化」の3つで、人は大きく変わることができます。55分34単位という十分に保障された時間で学びを深める熊西には、大きな伸びしろと志のある生徒が熊谷市内外から集い、それぞれの境遇を超えて、切磋琢磨する環境が存在します。生徒は教師の背中を眺め、認め合い、生徒と教師が信頼関係を構築していくのが「クマニシ」という世界です。そして、皆さんは、感性を豊かに、明朗な心情と強固な意志を育て、高い目標を掲げ、進んで困難に挑む不屈の実行力を養います。力の限りベストを尽くし、仲間や先輩後輩と多様な経験をとおして、共感力や人間力を育みます。そこに自主自律の精神が育ちます。その結果、タフで優しく賢い生徒が育ちます。強くて頼れる自分を作ります。自己肯定感を高めます。時を守り、場を清め、礼を正せる「にんげん」を作ります。熊谷西高校生は、3年間で「立派な成人」に成長します。その結果、質の高い大学で学び、地域や日本、世界を支える皆さんへと変容します。そんな皆さんへの夢を私は持っています。

熊西では、「3年間の教育活動全てが進路指導」です。「授業第一主義」の文化、「自学自習」の文化、「教え合い・学び合い」の文化が、生徒の高い志を支えます。

1年生、「西高生になる」が進路指導の1年次のキャッチフレーズでした。
進路指導方針には、「進路実現は低学年指導で7割が決定するほど極めて重要である」と書いてあり、特に1年時の学業は、その生徒の進路に大きな影響を与えるほど重要であるという意味でもあります。残りの2割は2年で決まります。時は金なりです。しっかり勉学に取り組むことは相応の「覚悟」と持続できる「精神力」が必要となります。だから「grit」なのです。成功する大切なポイントが、gritによって身に付けた自信であり、勢いであり、そして安心感です。道のりは失敗の連続かもしれません。しかし、もがき、立ち向かったこと自体が、人を強く大きくします。誰だっていつか来た道。失敗やできないことを終わりのない失望や絶望と考えないことです。絶望して命を落とす若者もいます。生き抜くことです。しんどい時期は必ず終わります。そして、そのしんどい時期を超えたとき、必ずや「あぁ、耐えてよかったなぁ」と思う時が来ます。粘ってみる。耐えることです。続けてみることです。それも青春、とても大事。

恵まれた環境での熊西の学びは、皆さんが、どう生きたいか、どうしたいのかを第一に考え、地域のみならず、日本や世界を支え、最終的には「人類の幸福のため」となる、さらには自らが「生きる、生き抜く」ものとなるように「高次元でスケールの大きなもの」となります。受験は通過点、大学も通過点ですが、そうした高い次元を獲得するために、人生の大きな視点を持って全科目、全活動をとおして、安易な方法を選択せずに、高いレベル、質の高い大学、行きたい大学、行くべき大学へ進学する必要があります。そして人生を「survive」していくのです。教科書は、複雑に絡み合う世の中の物事の入り口を示してくれています。学問のベビーフードです。意識を高くしてgritの精神を持つ仲間のいる真の大学へ挑戦してもらいたいと思います。大学に入学すると、全国から学生がやってきます。様々な環境で、多くの努力をした学生。その中でも悠々と頭一つ抜きん出て、インフルエンサーとなり、やがて、先に述べましたが、世の中で役に立つ、日本やその地域、さらには世界のどこかを支える人材になる。とてつもない早さで変化する社会の解のない世界で活躍する土台を作る。そのためには、今「現在」が大切なのです。実現したい未来やビジョンを持つのです。人生は選択肢の連続、決断の連続、そしてその文脈で人生を生きていきます。

1年生も勉学の秋、11月模試も終わりました。
「進路は低学年指導で7割が決まる」と言っています。学習習慣を確立し、1、2年生は、平日学年+1時間、休日学年+2時間を最低学習時間とし継続してください。未来の自分の成長を期待し、夢を持つ全国の高校生はどんどん差をつけてやっていきます。3年生の勉強時間は平日は6時間、休日は12時間という勉強をこなすことになります。2年ゼロ学期へ向け、実行あるのみです。もう一度言います。西高生は出来る。本当ですよ。
「自学自習」「教え合い」「学び合い」「支え合い」の精神で学力を高めてください。そうです、仲間を支えてあげるのです。助けてと救いを求める。求められたら一緒に解決策を考えてあげてください。

そして、授業を大切に、じっくり考え抜いて理解に結びつけてください。教科書は、複雑に絡み合う世の中の物事の入り口を示してくれます。まさに学問のベビーフードです。世の現象や事実を文字に落とし込んだものです。先生への質問も大切ですが、すぐ聞いてはダメです。あらゆる教材、ノート、参考書と格闘し、煮詰めて考え抜いてからポイントを質問することを心がけてください。思考力はそうした鍛錬、積み重ねが必要です。先取り学習できる人は進度が遅い教科ほど先取りしましょう。思考のプロセスを徹底的に鍛えてください。それが思考力を育みます。さらに、様々な現象や事実を繋ぐ力・繋げる力を身に付け、見えないものを見る、聞こえないものを聞く、そして、様々な問題に縦横無尽に対応できる客観的思考能力のある人に成長してください。学びの究極の成果はそこにあります。なぜ勉強するのか、それは試験のためではない。もう一度言います。様々な現象や事実を繋ぐ力・繋げる力を身に付け、見えないものを見る、聞こえないものを聞く、そして、様々な問題に縦横無尽に対応できる客観的思考能力のある人に成長するためです。

大学受験に必要な時間は3500時間から4000時間と言われています。
時間は有限です。時間管理は非常に大切です。若い頃は変化が速いのです。今でなければできないことは山のようにあり、のんびりしている暇などないはずなのに、若い頃ほど時間を無駄にしがちです。

令和6年3年生も、昨年の旧帝大に続き、やれると自覚した生徒が目標高く、果敢に今、試行錯誤し、もがきながらも仲間と支え合い挑戦しています。その姿はまさに勇姿です。皆さんも先輩を追い、行きたい大学へ高い志を持ちチャレンジしてほしい。6教科8科目、特に文系の数学、理系の国語。これが要です。数学は全員が克服すべき教科です。国策で理系重視、理科系思考力の重視を打ち出している以上、文系の生徒も理数科目を不得意にしてはいけない時代になっています。あと2年、3年3月まで諦めず全教科バランス良く粘り、やり抜き、貫いてください。

皆さん、受験は学校の授業の延長線上にあります。進学校においては、ほとんど同じ教科書を使い、同じ問題集を使います。しかし、多くの進学校の進路結果はまちまち。その原因は、飲み込みの早さと段取り力、演習量の差です。相手はウサギ。皆さんは、スピード面ではカメかもしれないが、焦らず、じっくり考える、落とし込むことを通して理解をし、演習を繰り返す。これだと思う問題集を使い潰す。これは非常に大事で、流行に流され、新たな問題集や参考書を購入し、やった気になり、結局中途半端だったという話をよく聞きます。一つの問題集を使い倒すことを意識してほしい。勝負という競い合いの中で自身の学力を「大学入試で実証する」ことが大切です。楽な大学入試、安易な方法はありません。熊西で学んだことが大学でのアドバンテージになる。

色々お話をしてきました。

自己のスタンダードが上がれば、クラスのスタンダードが上がります。さらに学年のスタンダードが上がります。易きに流れず、情報に流されず、負けない自分、逃げない自分を作り上げていきます。素直さと謙虚さがない人は伸びません。努力と覚悟を持って下さい。渾身の努力が実を結ばない時、人はどうするか。人は努力を続けます。努力のベクトルを考えます。いつ、どこに力を集中させるか考えます。知恵を求めます。知識が無ければ知恵を使います。努力を続けて下さい。努力を続け続けて下さい。学びてもなお学びてもまなびても学び足らぬはまなびなりけり。学べば学ぶほど疑問が生まれ追いかけてきます。

いいですか、皆さん。何をしたら自分は変われるのか、目標が見つかるのか、そんな迷いや悩みがあるならば難しいことを考える必要はありません。熊西で3年間駆け抜けて下さい。必ず突破口が見つかります。

2年0学期へ向けてエンジンをかけ、1年の学習は1年の内に総復習し、弱点を補強してください。

進路指導主事としても、校内を回り、1年の生徒の皆さんとも沢山お話をし、この眼(まなこ)で事実を必ず確認し、皆さんの「メンタルタフネス」を高めていきたいと思います。
進路指導主事だよりや、学年集会、統一進路で様々な情報やメッセージを発信していきます。

 

 

最後に合い言葉です。

 

「フィジカル パッション 演習量」

 

頑張ってください。期待しています。

 

ご清聴ありがとうございました。