【進学の熊西】始業式 進路指導主事講話【「貫く」ということ】
熊谷西高校では、始業式・終業式・朝礼・学年集会・統一進路等で、高いレベルでの進路指導主事講話を行い、適時に適切な進路に対する意識喚起を行っています。
令和7年度1月始業式では、平井進路指導主事から全校生徒へ、「貫く」というテーマで話がありました。
おはようございます。
3学年が揃っての講話も最後となりました。
この1年間、「志」、「勉強の偉大さ」、「学問を耕す」こと、「努力」と「実力」、「人生は微分・積分」ついてお話をしました。
今日は「貫く」ということについてお話をします。
これまでの講話を振り返ってみます。
まずはじめに「志」についてです。「志」は、武士の士に心と書きますが、「世のため、人様のため」(For others)という気高い思いや理想であるという意味です。
その実現のためには、哲学や宗教、政治・経済、異文化、環境、人工知能、宇宙、医学、芸術、スポーツなど、時代や場所を超えた本質を追求し、次代のリーダーに必要な確固たる世界観やブレない軸の獲得が必要となります。その意味で皆さんは、全教科で勉強という「学問のベビーフード」を学んでいます。そのベビーフードの栄養をバランスよく取ること。それも栄養価の高いものを取ることです。それが「思考」や「理解」に結びつきます。
その、「勉強」とは、生きるための目的ではなく「手段」です。
「勉強したことを自分の強みとして、いかに人生を豊かにしていくか、楽しくて幸福なものにしていくか」。そのために使ってこそ価値があるのです。無駄はありません。いつか「これだ!」と気づく時を期待して、将来につながるワクワクを心に抱いて勉強することです。「study」はラテン語の「studium」が由来で「パッション」という意味でした。
勉強することで多様なものの見方、考え方があることを知る。そしてまた、自らもさまざま可能性を幅広く考えられるようになっていく。
これが勉強の意義であり、勉強することによって得られる最大の果実と言っていいでしょう。
多くの勉強によって得られたフレキシブルな姿勢は、「発想の原点」「精神の自由」「知性の解放」につながるのだと私は思います。
勉強によって、学んだ知識を繋ぎ合わせ再構築する。時には全てを「壊し」、「耕し」、「再合成」する。
定期的に耕されないと大きな実を結べません。人間関係もそうでしょう。神様が時に非情なトラクターでその畑を試練として耕すのは、私達が大きな、大きな実を結び、大きく、大きく成長するためなのだと思います。
まとめれば、令和からの新時代は、「知識を更新し、材料とし、いかに思考を続けていくか」という視点、そして「その思考をいかにアウトプットし、世の中に貢献していくか」という視点が、非常に大きなカギになると確信しています。
電子体温計はあなたの口の中で微分方程式を解き、携帯電話のGPSは現在地を割り出すのに連立方程式を解いています。桜の開花予想だって積分を解いています。
まさに勉強や学びが世の中に貢献しています。
その勉強には、「努力」という下積みが必要です。
「まず己を知る。そして適正なレベルに挑戦する。その際、目の前の一段を登るために、自分が登れる小さなステップに分解し、克服する。」
その繰り返しが「努力」でした。
その結果として、もともとわからなかったこと、できなかったことができるようになります。自分にできる高さまで刻んで、わかり、できるようになったという無数の事実が「自信」に変わり、「勇気」に繋がり、自分を鍛え抜く「実力」となります。
「実力」を身に付けた者は、時を守り、場を清め、礼を正す、生活習慣を基盤として、自分の状態や周囲の人間や環境などを言い訳にせず、不運や理不尽を嘆いたり、文句を言ったり、責任転嫁することなく、ビジョンを描き、理想に燃え、自分に矢印を向けていきます。そして、行動の先に自分で責任を取る覚悟も出来ていきます。
「タフで、優しく、賢い」人間に成長します。
「人生の微分値・積分値」が大きくなります。
そして、堂々と、世界へ、宇宙へ羽ばたいていきます。
そういう意味で、いつも言っていることですが、熊西の学びは、皆さんが、どう生きたいか、どうしたいのかを第一に考え、地域のみならず、日本や世界のどこかを支え、最終的には「人類の幸福のため」「世のため、人のため」となる、さらには自らの「命を大切にし、生きる、生き抜く」ものとなるように「高次元でスケールの大きなもの」となるというものです。
受験も大学も通過点ですが、そうした次元を獲得するために、高い志を持ち、いい勉強ができ、良き同志と切磋琢磨し、自己実現できる納得の場を見出すことです。それが皆さんの使命です。
熊西で教科書を極め、教科書から飛び出す。学びを極め、インプット、アウトプット。自学自習。教え合い、学び合い。世界の西高、宇宙の西高。熊西で学問のベビーフードを学んでいきます。
各学期の話に筋が通り、「貫いた」一つの話にまとまりました。
そう、話し手の芯がブレないと一つの「STORY」になるのです。
それが「HISTORY」となります。
それを示すためにこの話を2025年度最初の話にしました。
皆さんも、高い志を持ち、自己の目標を「貫徹」しよう。
さて、最後に、3年生は1週間後の共通テストに向け、コンディションを調整しましょう。正念場です。最後の追い込みを図ってください。もがいて、もがいて、もがき抜いてください。1年前の共通テスト過去問をもう一度見直しましょう。弱点の補強を中心に、知識の整理をしましょう。
これをしたら失敗するということだけは絶対に避ければ、皆さんなら突破できる。
昨年の先輩を超えて、第48期生で西高生の実力を更新してください。
2年生は3年0学期、1年生は2年0学期です。よい走り出しをしましょう。
そして、西高生全員が「全力を尽くしたか」を全ての判断基準とできるように行動しましょう。
そのベストの基準は統一進路でのGRITの話題でお話ししたように、現状よりも高い基準です。なんとか到達できる基準です。その繰り返しでハードルを高くしていくのです。くじけない。
授業第一主義、予習・復習、教え合い・学び合い。
教科書を使い倒して、教科書を極めて、教科書を飛び出せ。
わかると楽しい、考える選択肢が増えていく。それを統合する。その繰り返しです。
基礎・基本を確実にしましょう。英単語は先取りして何周もしましょう。
インプット、アウトプット、トライアル&エラー、そして笑顔。
最後に合い言葉です。
「今を精一杯過ごす」
「ベターではいけない。ベストを尽くす。」
「チャンス チャレンジ マジカルチェンジ」
「フィジカル パッション 演習量」
今年も頑張ってください。
進路指導主事 平井 利久