【進学の熊西】第2学期始業式・進路指導主事より【勉強の偉大さとは】
熊谷西高校では、始業式・終業式・朝礼・学年集会・統一進路等で、進路指導主事講話を行い、適時に適切な進路に対する意識喚起を行っています。
令和6年度2学期始業式に平井進路指導主事から全校生徒へ、2学期にあたって、「勉強の偉大さ」そして「2学期の学習と進路実現へ」、2つの観点からお話がありました。
1年生は「西高生になる」2年生は「勝負の2年生」、3年生は「受験は団体戦」のキャチフレーズの下、「英姿颯爽」の校風の中で、高い志を持ち、自己実現のために日々ベストを尽くしましょう。
おはようございます。
1学期終業式には「志」についてお話をしました。今日は「勉強の偉大」さについて、さらに2学期に進路を考える上で意識して欲しいことをお話しします。
「私達にとって勉強とはなんだろうか?」
永遠のテーマでもあります。
私が考え抜いて出した結論は、「生きるなかで遭遇するあらゆることが、すなわち勉強」だということです。「勉強とは特定の限定的な知識を注入することだけを意味するのではない」ということです。限定的な知識注入は、勉強という大きな括りのなかのほんの一部にすぎません。高校での学習もほんの一部にすぎません。
本来、勉強とは生きるための目的ではなく「手段」です。
「勉強したことを自分の強みとして、いかに人生を豊かにしていくか、楽しくて幸福なものにしていくか」。そのために使ってこそ価値があるのです。無駄はありません。いつか「これだ!」と気づく時を期待して、将来につながるワクワクを心に抱いて勉強することです。「study」はラテン語の「studium」が由来で「パッション」という意味でした。
勉強することで多様なものの見方、考え方があることを知る。そしてまた、自らもさまざま可能性を幅広く考えられるようになっていく。
これが勉強の意義であり、勉強することによって得られる最大の果実と言っていいでしょう。
まとめれば、令和からの新時代は、「知識を更新し、材料とし、いかに思考を続けていくか」という視点、そして「その思考をいかにアウトプットし、世の中に貢献していくか」という視点が、非常に大きなカギになると確信しています。
電子体温計はあなたの口の中で微分方程式を解き、携帯電話のGPSは現在地を割り出すのに連立方程式を解いています。桜の開花予想だって積分を解いています。
ここでは数学という人工言語が世に大きな影響を与えています。
まさに勉強や学びが世の中に貢献しています。
多くの勉強によって得られたフレキシブルな姿勢は、「発想の原点」「精神の自由」「知性の解放」につながるのだと私は思います。
スティーブ・ジョブズが2005年6月、スタンフォード大学卒業式辞で語ったスピーチ。その中で、締めくくりの言葉として述べた有名な言葉「stay hungry, stay foolish」にも通じると考えます。
今述べた観点を繋げると、毎回述べていることに繋がっていきます。
熊西の学びは、皆さんが、「どう生きたいか、どうしたいのか」を第一に考え、地域のみならず、日本や世界を支え、最終的には「人類の幸福のため」となる、さらには自らが「生きる、生き抜く」ものとなるように「高次元でスケールの大きなもの」となります。
もちろん、勉強というと、勉強よりも大切なものがあるという意見もあります。しかし、勉強は続けていかなければなりません。勉強よりも大切なもののために勉強するのです。勉強よりも大切なものを手に入れるときに、勉強が必要になることがあるかもしれません。時に気負わずに、時に冷静に、でも、もがいて探し、アウトプットを繰り返す。一生探究、一生勉強なのです。
こうした大きなうねりを持つ「学びのストーリー」が獲得できるのはまさに私達自身なのです。
こうして学んだ皆さんは、将来、地域に生き、日本に生き、世界に生き、宇宙に生きていきます。
世界の西高。宇宙の西高。
そして、学んで、極めて、世界を救う人材になってください。
これが、我らの母校、熊谷西高校生の誇りとなるのです。
さて夏休みが終わりました。学習は順調でしたか。夏休みを経て反省点もあることでしょう。
今後は、
①量と質のバランスをとること
・量が多すぎて質が伴っていない。
・質は伴っているけど量が足りていない。
というアンバランスが一番いけません。基礎をいつでも確認できるように。
まず「量不足の人」へ。
不必要な時間を勉強時間に変えてください。
また「隙間時間」も「勉強時間」に変えてください。待ち時間や通学時間といった隙時間をかき集めれば量不足に陥ることはありません。
暗記や復習、反復時間に当てれば脳にも定着していきます。
次に「質不足」の人へ。
理由と過程に重きを置き、問題を考えるときに、なぜその答えになるのか?どうやってその答えになったのか?「思考のプロセス」を徹底的に自分で再現する勉強をしてください。この問題は何が問われているのか、単元を特定し、このことを聞いているんだと、問いの本質を素早く見抜く演習を繰り返し行ってください。そうすると、本質と本質を繋ぎ、組み合わせて、さらに大きな問いを解決する力も身に付いていきます。そして、仲間と教え合い、学び合いをしながら再確認と共有をしてください。能ある鷹は爪を出せです。
②継続力を持つこと
戦略を立て、選んだけれど、最後までやり抜けない、継続しない。なぜ継続できないのか?それは、人間の「感情」が邪魔をするからです。
模試でも何でも、中途棄権をしない。あきらめの感情に負けてはいけません。課題に責任を持ち、やり切ってください。やり抜くことです。毎日続けることです。それが自信に繋がっていきます。
③熱を持つこと
何事にも熱中した人が伸びていきます。
要領が悪いとか、地頭が悪いとか、偏差値が低いとか一切関係ありません。
熱があるかないかです。
冷めてしまってはいけない。
宣言したけれど1週間くらいで、ピタッと止まった人はいませんか。
「やる気がでない」は「やる気がない」と皆さんが判断したにすぎません。
「熱」を言い換えるなら「目標」です。
ガッツが必要。グリットが必要です。(2,3年生は統一進路の進路講話でお話ししましたね)
特に受験生は受験勉強の時間と量が圧倒的でないといけません。
3年生はあと半年、「受験は団体戦」(第一志望を貫徹)を貫いて欲しいと思います。夏の成果は、簡単には出ません。入試当日まで学力は伸びていくからです。3年生はこれからが一番苦しい時期。しかし、これからの頑張りが勝負を左右します。苦しいこともあるでしょう。でも、もがいて、もがいて前進して下さい。高い志を持ち、へこたれず、中途棄権せず、諦めることなく、第一志望を貫徹して欲しいと思います。バランス良く学習すると同時に、勝負科目を作り、どの教科目に力を注ぐかも意識してください。運も戦っていないとついてきません。軍(戦い)を進めていないと掴めないのが「運」です。
1年生は、「西高生になる」(基礎・基本の完成)、2年生は、「勝負の2年生」(大学入学共通テストレベルの完成)が進路指導方針で各学年のキャッチフレーズになっています。2年生は高校生活2年生の折り返し、3年0学期も見えてきます。
3年間で大学入試に必要な学習時間は「4000時間」です。
逆算して今から着実に学習習慣を定着させましょう。
例えば「駅5分」と聞いたとしても、見知らぬ土地だと遠く感じるように、何事も初めての学びはエネルギーを使います。
今は真価や底力がわからないかもしれませんが、この熊西で「学問のベビーフード」をじっくりと学び、吸収し、「自学自習」「教え合い」「学び合い」の精神で、アウトプットし、学力を高め、蓄積してください。
永久の学びを志向する皆さんは、他者の学びに対しても冷ややかであってはいけません。
西高生の皆さんは「ベストを尽くしたか」をすべての判断基準にすることです。
渾身の努力が実を結ばない時は、腐らず、へこたれずに、努力を続け、努力のベクトルを考え、いつ、どこに力を集中させるか考えてください。そして、アウトプットをし続けてください。日々繰り返して実践するうち、追い求めては逃げ、消えてばかりいたことが、いつの間にか、不思議と、振り返ればそこにあった、「まさに継続は力なりだった。やったぁ。」とそんな感覚になるのが理想です。もちろん、時に追い込み、実力を証明し、「勝ち取る」経験もするのも勉強です。
充実の2学期を期待しています。頑張って下さい。
それでは、進路実現の合言葉です。
「今を精一杯生きる」
「ベターではなくベストを尽くす」
「フィジカル パッション 演習量」
終わります。
進路指導主事 平井 利久