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理数科1年|放射線実習セミナー

3月10日(水)本校理数科1年生を対象に「高校生のための放射線実習セミナー」が実施されました。講師に、東京大学から特任専門員の飯塚裕幸先生(医学博士)においでいただき、大変有意義な学びとなりました。

はじめに「放射線の基礎と放射線の人体影響」についての講義を受けました。本校OBでもある飯塚先生は、ユーモアと母校愛あふれる語り口調で生徒を魅了しました。

講義に続いて、さまざまな実験に取り組みます。最初の実験は、暗幕で実験室を暗くしての「霧箱による放射線の観察」でした。雲のように見えるのは、放射線(α線)の軌跡です。
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次に、下の写真のような測定器「はかるくん」を使って「自然放射線(バックグラウンド)の測定を行います。日本原子力文化財団の近野俊治先生に機器の操作と実験の説明を頂きました。このほかにも「距離の逆二乗則」や「ガンマ線の物質による吸収」の実験を行い、データを集計・整理してグラフを作成し、法則を検証しました。

室内での測定を終えた後は、校内の思い思いの場所に行って「校内での自然放射線の測定」に取り組みます。樹木はどうか、土の上と石やコンクリートの上での違いはどうか、ゴミ箱は、トイレは・・・など、生徒たちの自由な発想のまま、あちこちで測定が行われます。

最後にまとめの時間となりました。黒板を使って「距離の逆二乗則」を説明した有志の生徒に続き、各班代表者が測定結果や考察について発表しました。即興とはいえ、堂々たるプレゼンでした。

この実習を通し「放射線」を「正しく・深く」学ぶとともに、日本のエネルギー問題についても問題意識を新たにする機会となりました。また飯塚先生は、放射線が暮らしや産業・医療へ有効利用されていることを強調していました。「実験・数値測定・データ解析・結果の考察」など研究の基本が実習でき、来年度から本格的な課題研究が始まるにあたり、大変なモチベーションをいただけたと感じました。

【参加した生徒の感想】

◆放射線はレントゲンなどに使用されていることから決して悪い物でないことを知っていたが、どう区別があるのか分からなかった。しかし、今回の講義を終えて、距離と遮へい物によって遮断できることが理解できた。小さい頃、東日本大震災のニュースで「セシウム」や「シーベルト」などの言葉をよく聞いて何を言っているのか分からなかったけど、改めて知ることができ「3.11」についてより深く理解することができた。
◆放射線に対する見方が変わるいい授業でした。今までは、放射線は悪影響を及ぼすものとしてみていたけれど、自分の健康を守ったりするためにも使われていることを知ったので、よい面も悪い面も両方あることがわかりました。
◆放射線について今までどうしても原子力発電所の事故であったり、広島・長崎に落とされた原子爆弾のことで「危険で怖い」という意識があった。でもそれは私の知識が足りていなかったからであり、今日の講義で、少量ならそこまで危なくないし、むしろ常に身の回りの様々なものから放射線は出ていると知り、なんだかとても身近に感じてイメージが変わった。チェルノブイリ発電所の事故の際、多くの女性が人工的に中絶したという話と同じで、無知というのは恐ろしいと思った。この講義は今まで受けてきたものの中で正直一番楽しかったし、興味を持つことができた。これからは自分自身でもう少し日本の原子力発電について調べてみたいと思った。
◆放射線について今までは漠然と「危ない物」としか認識しておらず、自分たちにどのような影響があるのかさえも詳しく知らなかったけれど、身近な場所で使われていたり性質なども知ることができ、その思いが薄れた。今日学んだことを家族などにも話して放射線がもっと身近に感じられるようになると良いのかなと思った。
◆放射線のように、身近にあるにもかかわらず、その正体や特徴を知らないまま生活している物は多く存在していると思う。そのような物が社会に注目される時、人々は無知故に一方的かつ恣意的な情報に流されやすく、誤った情報に簡単に踊らされてしまっている。少し調べればわかる情報でさえも、誰かの流言を無批判に取り入れて行動し大きな問題となることが多い。誤った行動で不利益を被らないためにも、正しい意識を知り、それを基にした行動を心がけることが大切だと感じた。社会のデマに惑わされず正しい認識を広めていくことが、よりよい社会を創り上げていくために重要であると思った。