【探究の熊西】SS地学Ⅰ「フズリナ剥片の作成と同定」実習
理数科2年の「SS地学Ⅰ」の授業で、古生代末(約3億年前)に生息していたフズリナの薄片を作成し、同定と年代の推定を行いました。フズリナ類は有孔虫の仲間で、石灰質の殻を持ち、アメーバのような単細胞生物だったと考えられています。(大きさ10mm位の米粒状のもの)
(白く見えている米粒状のものがフズリナ)
佐野市葛生の石灰岩(セメントの材料)をチップ状(縦30mm×横20mm×厚さ5mm)に切断したものを、研磨して薄片を作っていきました。
片面をカーボランダムとアランダム(研磨剤)で粗いものから、だんだんと細かいもので研磨し(#120~#3000)
厚さ0.5mm位にします。その後プレパラートに貼り付け、0.02mm(文字が透けて見えるくらい)まで裏面を同様に研磨します。ここまで大体5時間くらいかかります。
<薄片の研磨の仕上げ #3000> <できあがった薄片>
その後、双眼実体顕微鏡で検鏡しスケッチをします。
<全体の様子> <スケッチをしている様子>
スケッチが済んだら、特徴からフズリナ類の同定作業を行います。
<スケッチと比べながら特徴から同定する> <フズリナのスケッチ>
スケッチ・同定・年代判定まで行って大体7時間くらいの実習でした。石を削る経験などなく単純作業が長い実習ですが、剥片が出来上がるにつれ達成感も出てきて、同定作業も真剣に行っていました。
地道な作業と細かな観察が、自然を観察する上で基本となります。その一端を感じ取ってくれればと思います。