【探究の熊西】高大連携 天然物化学実習 in 日本薬科大学
専門性の高い実習を通して、専門分野への興味・関心を高める。
薬として使われている天然物(オウバク)に含まれる有効成分(ベルベリン)の抽出と核磁気共鳴スペクトル解析装置(NMR)による構造分析の体験実習を行う。
①天然物そのもの医薬品としての利用、薬学への招待、天然物と化学の融合
天然素材から取り出した医薬品として、エヴァーメクチンを抽出し、イヴェルメクチンへ化学的に構造変化させ、現在もマラリアの薬としてアフリカで活用されている事例などを説明いただいた。
さらに今回扱うオウバクの性質や薬用利用、分子構造など詳細に解説いただいた。
また薬学部では数学、英語、物理、化学、生物をバランスよく学ぶ必要があること、様々な視点から薬の作用を検討しミクロとマクロを使い分けること、医薬品リードとしての天然物の重要性について学習した。
②ベルベリンの抽出、濃縮、結晶化、単離、定性確認
オウバクからジムロートを用いたメタノール加熱還流を行い、80℃に保ち2時間かけてベルベリン抽出した。そしてロータリエバポレーターを用いて濃縮し、黄色の粗結晶を析出させ、吸引ろ過で取り出した。
③ベルベリンの構造分析
化学における分子の構造決定について、昔の分析方法と比較しながら、現在用いられる質量分析法(MS)、核磁気共鳴分光法(NMR)を紹介いただき、生成した塩化ベルベリンを用いて構造決定の手順を体験した。
まとめ
天然物から化学を用いて有機化合物を取り出し、その利用方法を理解し、実験技術を習得できた。自然現象から科学技術への応用について学ぶことが出来た。何より生徒が真剣に学ぶ姿が印象的でした。