【SSH】現役大学院生によるキャリア講演会
10月17日(金)、本校視聴覚室にて「大学院生によるキャリア講演会」を実施しました。
講師は北海道大学 環境科学院 修士課程2年の新井さん。
海底堆積物に残された古いDNA――sedaDNA を手がかりに、西部北極海の過去の環境変動や生物群集の移り変わりを解析する研究に取り組んでいます。
新井さんは、調査船「みらい」MR-2406C航海に約40日間乗船し、北極海での本格的な調査を経験。厳しい現場でのサンプリングと膨大なデータ解析を通じて、北極の姿を“分子の証拠”から明らかにしようと挑んでいるそうです。
研究以外でも、カレー同好会を立ち上げ、大学祭では3日間で約4,000杯を販売する企画力と実行力も備えた頼もしい方です。
今回は、この回のために北海道からはるばる籠原まで来ていただきました。
大学院生として学会発表の経験も豊富で、構成の分かりやすい語り口により、時間の経過とともに生徒の姿勢もいっそう前のめりに。
高校時代の具体的な勉強法やおすすめ参考書、受験期の失敗談もユーモアを交えて紹介され、教室にはたびたび笑いが起きました。
新井さんが「難しいと感じた授業の教科書」ということで持参した、大学レベルの数学書の中身を見て目を丸くする生徒の姿も。
年の近い先輩のリアルな体験談に触れたことで、「受験勉強のモチベーションが上がった」「大学進学後の自分を具体的に想像できた」といった声が多く聞こえました。
聴講したのは理数科2年生が中心。課題研究・部活・学習に追われ、秋以降は発表会も増える忙しい時期です。
このタイミングで受験を見据えた“現実的な指針”をもらえたことは、明日からの行動を確かに変えてくれそうです。
専門性は高い。けれど伝え方はシンプルでフランク——そのわかりやすさが「自分にもできる」という手応えを生みました。生徒一人ひとりが“次にやること”を持ち帰れたことこそ、大きな収穫です。
改めまして新井さん、ありがとうございました。