【SSH】放射線セミナーを実施しました【1年生理数科】
理数科の1年生を対象に「放射線セミナー」を実施しました!
12月26日、本校にて放射線セミナーを実施しました。
本セミナーは、一般財団法人日本原子力文化財団の協力のもと、順天堂大学保健医療学部 准教授の 津田啓介 先生、および同財団の 宇井直人 先生を講師としてお招きし、講義と実験の二本立てで行われました。
放射線の基礎から応用まで
講義では、放射線の正しい知識をテーマに、身近な放射線の存在やリスクの考え方について分かりやすく解説していただきました。
放射線という言葉には「危険」「怖い」といったイメージが先行しがちですが、講義を通して、放射線は性質や量、利用のされ方を正しく理解することで、決して一律に危険なものではないことを学びました。
例えば、私たちは日常生活の中でも自然放射線を受けながら生活しており、医療分野では検査や治療などに放射線が欠かせない形で活用されています。一方で、過剰に浴びた場合には健康への影響が生じる可能性があるため、「知らずに怖がる」のでも「過小評価する」のでもなく、科学的根拠に基づいて判断することが重要であるという点が強調されました。
このように、放射線を「正しく恐れる」とは、危険性を理解した上で適切に向き合い、必要以上に不安を抱かず、社会の中でどのように活用されているかを冷静に捉える姿勢であることを、生徒たちは具体例を通して学ぶことができました。
ユーモアを交えた語り口で、生徒たちも終始引き込まれており、医療分野における放射線の活用など、幅広い視点からの内容は大変印象的でした。
校内での測定実験に挑戦
後半の実験では、校内の放射線量の測定と評価を行いました。
特に、放射点からの距離によって放射線量がどのように変化するか、また金属など遮蔽物を入れることでどの程度減衰が起こるかを、実際に条件を変えながら検証しました。予想と結果が一致する場面もあれば、思ったほど変化が出ない条件もあり、測定値のばらつきや誤差の扱いなど、データを「評価する」難しさも実感できる活動となりました。
得られた結果は表やグラフに整理し、班内で考察を共有しました。グラフ化や数値処理など一年生には少し発展的な内容も含まれていましたが、互いに相談しながら一つずつ確認し、「測って終わり」ではなく、根拠をもって説明するところまで粘り強く取り組む姿が見られました。
進路や探究につながる学び
セミナーを通して、生徒たちは放射線を「怖いもの」として捉えるだけでなく、科学的な見方で理解し、根拠に基づいて判断する姿勢の大切さを学びました。講義で扱った医療分野での活用例は、教科書の知識が社会の中でどのように生かされているかを実感できる内容であり、理科と将来の職業がつながる具体的なイメージを持つきっかけになりました。
また、放射線技師という職業について初めて知った生徒も多く、医療・理工・情報などが関わる分野横断的な話題から、「理科の学びがどんな進路につながるのか」を考える機会にもなりました。さらに、実験で行った「測定→整理→評価→説明」という流れは、今後の探究活動や課題研究においても重要となる基本プロセスであり、テーマ設定や研究計画を考える際の視野を広げる学びになったと感じます。
本セミナーは、2005年(平成17年)より継続して実施している行事です。今後も、専門家の方々の知見に触れながら、科学を多角的に捉える機会を大切にしていきたいと思います。
改めまして、本セミナーの実施にあたり、ご多忙の中にもかかわらず、丁寧で分かりやすいご講義と実験指導をしていただいた津田啓介先生、ならびに宇井直人先生に、心より感謝申し上げます。