2021年1月の記事一覧
ユニット型課題研究 地学「過冷却とその破綻」
11/30~1/25にかけてミニ課題研究として表記の実験と探究・発表を行いました。自然界・特に気象現象には氷点下に達しても水の状態でいる「過冷却状態」が多く存在します。過冷却を維持する条件や、それが破綻する条件などはまだまだ知られていないことが多い事柄です。今回のミニ課題研究では、その一端を実験を通して探究しようとしました。氷に塩を入れ氷点下の状態を作り出し、そこに試料を入れた試験管を入れ過冷却状態を作り出します。
<過冷却状態を作る>
一定時間過冷却状態にした資料を取り出し、氷のかけらを入れると一瞬にして凍結します。(過冷却の破綻)
<過冷却の破綻>
入れる試料は各自で考え、どのような条件の時が過冷却になりやすいのか、試料や冷却時間・温度などを変えて探究していきます。
11/30の1回目は実験の趣旨や実施方法の説明を行った後、予備的な実験を行いました。各自で用意した試料を元に実際に実験し、着目点を何にするか、条件をどのように変えていくか話し合いました。
続く2回目の12/7では、第1回の実験や話し合ったことを元に、さらに実験と考察を繰り返していきました。
<実験・課題研究に関する説明>
<自分で用意した試料で実験>
<写真に撮って検討する>
<結果と条件を記録する>
<結果をもとに議論する>
1/14の第3回目は追実験とともに、発表のためのまとめをホワイトボードに書いていきました。各班ともそれぞれ違った切り口で条件を考え実験したことが分かりました。
<まとめている様子>
<ホワイトボードに書いていく>
<こんな感じでいいかな?>
<まとめはこんな感じかな?>
<放課後もまとめの作業は続く>
<まとめ途中のホワイトボード>
<もうまとまった?・・ホワイトボード>
1/28はいよいよ発表でした。各班ごとに最初全体を前に3分間発表しました。
<発表全体の様子>
<発表の様子1>
<発表の様子2>
<発表の様子3>
その後15分間は説明する人と質問をしに行く人に前半後半と分かれて、ミニポスターセッションを行いました。
<ポスターセッション1>
<ポスターセッション2>
<ポスターセッション3>
このユニット型課題研究をはじめとして、2年生での課題研究で取り組むことになる、仮説の立て方、条件の設定の仕方、研究の方法の試行錯誤が少しでも感じられることができたと思います。凝固点降下について調べたり、成分表を調べたりするなど、実験の時間だけではなく実験以外の時間も活用して「過冷却」について取り組んでいました。リサーチして実験に臨むなど、研究に対してしっかりと取り組んでいる姿を多く見ることができました。今年度は物理・化学・生物・地学のすべてにおいて、課題解決型のユニット型課題研究を行いました。それらがまさに2年生の課題研究に向けてのエチュードであり、4分野の探究が結実したことが感じられたユニット型課題研究でした。
【理数科】本校初の冬の臨海実習に行ってきました。
理数科2年8組が、本校初となる冬の臨海実習に行ってきました。
終業式直後の12/24~12/26、2台のバスに分乗して、千葉県銚子市へ行ってきました。
コロナ禍で大変な状況の中、実施に際して尽力してくださった関係者、
訪問先のみなさまに心より感謝いたします。
3日間の様子を、簡単にご報告いたします。
【第1日(24日)】
つくばに立ち寄り、JAXA筑波宇宙センターと地質標本館を見学しました。
実物大はやぶさ2の模型や、多種多様な鉱石の展示を見てきました。
今年の2-8は地学選択者がいませんが、地学についての教養を深めることができました。
(↓夜にはサプライズでケーキも…)
【第2日(25日)】
A、Bの2グループに分かれて活動しました。
Aグループは乗船してホエールウォッチングに出る予定でしたが、残念ながら荒天で欠航となってしまい、鴨川シーワールドを見学してきました。
Bグループは千葉科学大学へ行き、午前中は好適環境水による魚類飼育に関する講義と施設見学、午後は地学巡検を行ってきました。
そして夜は、天体観察を行いました。昨晩は曇ってしまいできなかっただけに、寒い中大いに盛り上がりました。
約400年ぶりとなる土星と木星の大接近や、月のクレーター、オリオン座やカシオペア座、冬の大三角、ふたご座のカストルとポルックス等々、冬を代表する美しい星々を観察しました。
(↓左の大きい方が土星、右の小さいほうが木星)
【第3日(26日)】
最終日は、昨日のA、Bグループの内容を入れ替えて実施しました。
Aグループは、千葉科学大学へ行き、午前中は好適環境水による魚類飼育に関する講義と施設見学、午後は地学巡検を行ってきました。
Bグループは、乗船してホエールウォッチングに出航したものの、沖に行くほど時化てきてしまい、クジラのエリアに到達する前に引き返してきました。
それでも、銚子沿岸で定住しているスナメリの群れを十分観察することができました。スナメリは東アジアに分布し、「小さなシロイルカ」といった見た目です。この時期に群れでいることは比較的珍しいそうです。海外からは、このスナメリを目当てにやってくるお客さんもいるとか。
(↓好適環境水を用いると、海水魚と淡水魚を同時に飼育することができます。この水槽中には、海水魚のデバスズメダイやマンジュウイシモチ、淡水魚の熱帯魚がいます)
(↓フリッパー号の前にて!)
(↓屛風ヶ浦を背に、スナメリ)
帰りは渋滞もなく、予定通り学校に到着しました。
校外での活動がなかなかできなかった今年、貴重な実習の機会となりました。
みなさま、本当にありがとうございました。