2023年8月の記事一覧
【探究の熊西】放線菌チーム自主研修 with 山梨大学
8月の平日、課題研究の放線菌チームが自主研修として山梨大学より山村先生をお招きし、研究のアドバイスをいただきました。(講義と実習に集中していて、写真を撮ることをすっかり忘れたため、文章のみでの報告です)
これまで校内の土から放線菌を見つけるため、数えきれないほどのシャーレで培養を行ってきましたが培養できず…と思い込んでいたら、ちゃんと培養できていました!!しかも数種類はいそうとのこと。コンタミネーションもしておらず、いいサンプルとのことでした!やはり、専門の方に見ていただくことは大事だと痛感しました。
今後は、急ピッチで放線菌コロニーのシングルコロニー化を進め、抗菌物質を産生するか確認していきます。放線菌の新種が見つかるかもとのことで、また一つ、夢が膨らみました。今後の研究に期待です!
【探究の熊西】【自然科学部】チームアライグマ野外実習 in 都幾川
8月の平日、県内6校より50名近くの生徒が集まり、水生生物班、昆虫班、植物班の3班に分かれて実習を行いました。熊西からは1,2年5名が参加しました。
今回の実習では、野外での採集活動を通して、その後の同定の仕方や、標本としての保存の仕方を学び、実践しました。昼休みには雨が上がるのを待ちつつ、生徒考案の昆虫ジェスチャーゲームも行い、盛り上がりました!他校とのつながりをより深めることのできた1日となりました。
<水生生物班>
↓都幾川での採集
↓分類・同定作業
↓ハグロトンボ
↓カジカ
↓まとめ&発表
<昆虫班>
↓都幾川河川敷で陸上昆虫の採集
↓まとめ&発表
<植物班>
↓都幾川河川敷で陸上植物の採集
↓植物標本作り
↓まとめ&発表
全体会の解散後、熊西は文化祭に向けた標本作成のため、残って昆虫採集を行いました。
【探究の熊西】【自然科学部】遺伝子解析実習in日本薬科大学
8月上旬、県内6校より24名の生徒が集まり、6班に分かれて実習を行いました。熊西からは1,2年6名が参加しました。
今回の実習では、気道粘膜組織を用い、病原体のセンサー分子として知られるToll 様受容体( TLR Toll Like Receptor )の遺伝子発現をPCR法、アガロースゲル電気泳動法を用いて確認しました。
実習中に待ち時間があり、その時間を使って実習内容にかかわる講義も行われ、充実した1日となりました。特に1年生にとっては未学習の内容であったため、講義によって理解が深まったと思います。また、各班にTAがつき、実習をスムーズに行うことができました。
①気道粘膜組織からDNA(total RNA)の抽出
本物のサンプルを使用する前に、マイクロピペットの操作法を確認しました。
確認後、ヒト由来の培養気道上皮細胞から、核酸のひとつであるRNAを効率よく抽出・精製する手法や定量方法を学び、実際にtotal RNA抽出を抽出しました。実習過程から、RNAとDNAの共通点と相違点、核酸の性質について理解を深めました。
②PCR法を用いて目的領域の増幅
RNAサンプルをPCRで増幅する前に、きちんとRNAが抽出できたかどうか、total RNA濃度を分光光度計で測り、RNAの存在を可視化し、検出しました。同時に、ヒトの細胞や体液中に豊富に存在するRNase (リボヌクレアーゼ)について、total RNAへの影響を検証しました。
確認後、RT-PCR法によりウイルス応答遺伝子(TLR)の発現解析を行いました。
↓分光光度計でRNA濃度が十分かどうか確認します。
↓サーマルサイクラー
③電気泳動法にてバンドの確認
最後に、PCR産物をアガロース電気泳動法により分子量の大きさに応じて分離し、可視化することで定性・定量を行いました。
今回の実習では、特にウイルスと細菌の認識受容体であるTLR3とTLR4の2つの遺伝子について、気道上皮細胞での発現を確認しました。さらに、気道上皮細胞へウイルスや細菌感染がおこった状況を培養環境中で再現したサンプルを用いて、それらの影響を確認しました。
↓アガロースゲルのウェルにサンプルを入れていきます。
↓最後に、ブラックライトを当ててバンドを確認しました。
遺伝子解析では高校生の研究活動でも一般的に扱うようになったバイオテクノロジー。その基本的な操作、および、天然物からDNA(RNA)を抽出し、濃度を測り、PCR法でDNAを増幅し、電気泳動法でバンドを確認する。その流れを経験することができました。薬学部では3年で行う実習とのことでした。生徒が丁寧に操作する姿が印象的でした。
臨海実習2023
熊西の2年理数科は、毎年夏休みの大潮の時期に、千葉方面へ臨海実習に行きます。
今年もまずまず天気に恵まれ、予定通りの行程で実施することができました。
朝早くから夜遅くまで、スケジュール盛りだくさんの内容を、写真たっぷりでご報告いたします。
主な行程は以下の通り。
【8/1 1日目 熊谷→銚子ジオパークで巡検】
【8/2 2日目 AM銚子にて船上からスナメリ観察、PM茂原にて天然ガス・ヨウ素施設見学】
【8/3 3日目 勝浦にて磯の生物採集&観察、地層観察】
【8/1 1日目 熊谷→銚子ジオパークで巡検】
朝7:00、学校に集合し、いざ、東京湾へ!
しかし、特に千葉県に入ってから、激しい暴風雨と渋滞に見舞われてしまいました。
運転手さん、安全運転本当にどうもありがとうございましたm(_ _)m
無事に銚子ジオパークに到着し、雨の中ではありましたが班ごとに巡検。
特に屛風ヶ浦は、過去の地層を直接陸上から観察できる、全国的にも貴重な地域です。
今日も灼熱の熊谷に比べるとはるかに涼しく(たぶん30℃以下!)、3時間ほど海岸沿いを歩きました。
夜はホテルの屋上で天体観察、の予定でしたが残念ながら曇空。中止としました。
↓東関東道。バス内より撮影。雹も降りました。
↓海浜植物ハマゴウの観察。海浜植物はどれも、強烈な潮風に耐えるため葉が厚いです。
↓国の天然記念物、犬岩。
↓こちらも国の天然記念物、屛風ヶ浦の観察。過去の地層を丸ごと見ることのできる、貴重な場。
↓夕食
【8/2 2日目 AM銚子にて船上からスナメリ観察、PM茂原にて天然ガス・ヨウ素施設見学】
前日、一度は出航中止の連絡が入りましたが…波が収まり、乗船することができました!
このイベントを最も楽しみにしていた生徒も多いのでは?
大きく体調を崩す生徒もおらず、全員がスナメリを見ることができました。
スナメリは、ベルーガを小さくしたようなイルカで、東アジアに生息しています。
洋上には巨大な風力発電も。将来的に20~30基ほどが立ち並ぶそうです。
午後は、茂原に移動して天然ガス・ヨウ素施設の見学を行いました。
天然ガスが川底からポコポコ出てきている様子も観察できました。
ヨウ素はなんと、日本が世界シェア第2位なのだそうです!日本が誇る貴重な輸出天然資源です。
そして今夜は、海岸で天体観察を行うことができました。
↓乗船するフリッパー号にて集合写真。
↓船上にて。多少波があり、楽しい波乗りでした!右は洋上風力発電施設。
↓川底から天然ガスがポコポコ出ている様子を観察。
↓天体観察。満月のため天の川ははっきりと見られませんでしたが…(写真は明るく処理しています)
【8/3 3日目 勝浦にて磯の生物採集&観察、地層観察】
最終日は実習のメインイベント、磯での生物採集と地学巡検です。
↓地学巡検。人もスケールになります!
↓磯での生物採集&同定作業
最後に、コロナ禍の影響がまだ残る中、生徒自身はもちろん、ご家庭や研修先、旅行会社様の御尽力で、
今年も無事に実習を終えることができました。
この場を借りて感謝申し上げます。
【探究の熊西】SSH研究発表会
8/8(火)~8/10(木)神戸国際展示場でSSH研究発表会が行われました。
(最寄りの駅で記念撮影) (会場手前で)
全国のSSH校約220校が集まり、ポスター発表が行われました。審査も行われ代表校が翌日口頭発表を行います。
(発表の様子)
(質問の様子)
(次々と発表を見に来て、質問が飛ぶ)
(審査の様子) (会場を見て廻る)
(他の発表も聞いてみる) (様々な分野の様々なブースが)
2日目は審査で選ばれた、作品の口頭発表が行われました。午後はフリーのポスター発表です。
(全体発表の様子) (ポートライナーで三宮・新神戸へ)
様々な発表を見たり、自分が発表し質問を受けたりして研究内容に対すする理解がより深まったと
思います。研究を継続した2年生も見学者として同行し、今行っている研究の過程や未解決の問題など
がよくわかったと思います。
【探究の熊西】かごしま総文2023
7月29日~31日、第47回全国高等学校総合文化祭(2023かごしま総文)自然科学部門、ポスター発表分野に埼玉代表として参加してきました。
ポスター発表部門ではポスター50作品の展示があり、発表を通して他県の学生と話し合い、意見交換を通して刺激を受け、研究の奥深さを実感していました。
三日目の半田利弘氏による記念講演では宇宙における天体の物質循環について学び、宇宙の神秘を垣間見ることができました。また、上野原縄文の森における火起こし体験や地層巡検から、鹿児島の自然と文化に触れ、その壮大さに感動しました。
受賞こそ逃しましたが、今までで最も素晴らしい発表でした。全国に出場した先輩を手本に後輩達もがんばってくれることでしょう。みんなよく頑張りました。